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2019年5月6日月曜日

SSA抗体陽性の妊婦から出生した新生児の先天性房室ブロックに関する疫学的調査:スウェーデンより

Comorbidity and long-term outcome in patients with congenital heart block and their siblings exposed to Ro/SSA autoantibodies in utero
Mofors J, et al. Ann Rheum Dis 2019;78:696–703.
doi:10.1136/annrheumdis-2018-214406

<背景>

  • Congenital heart block (CHB)は、SSA抗体陽性の妊婦から生まれた新生児に起こりうる
    • 一般人口では、約 1/23,000人
    • SSA抗体陽性の女性からは、1 - 2%
  • ペースメーカー留置が早い時期から必要になることもあるが、ペースメーカーの留置とその後の拡張型心筋症の発症が関連していることは知られている
  • CHBは稀なので、CHBやそれに伴う合併症に関するデータを多く集めることは比較的難しい
  • そのため、今回はスウェーデンのnation-wide healthcare registersのデータから、CHBに関する情報を収集した

<方法>
  • SSA抗体陽性の女性から出生した、CHBを有する新生児 (n=119人)とその同胞(n=128人)の情報を集めた
  • healthy controlは、the Swedish National Patient Registerから収集

<結果>
  • 平均フォロー期間
    • CHB group:17.1年
    • 同胞グループ:18.4年

  • CHB patientsは、一般集団よりも、心血管疾患のリスクが有意に高かった
    • 心筋症 ± 心不全
      • 16.8% (20人) vs 0.3% (3人)
      • HR 70.0 (95% CI 20.8 to 235.4)
    • 脳梗塞
      • HR 39.9 (95% CI 4.5 to 357.3)

  • CHB patientsは、感染症のリスクも高かった
    • ペースメーカー留置をすることで、脳梗塞のリスクは下がるものの、心筋症 ± 心不全と感染症のリスクが増加した(Figure 1)

  • CHB patientsとその同胞は、ともに、何かしらの自己免疫疾患を発症するリスクが高かった
    • CHB patients:HR 5.7, 95% CI 2.83 to 11.69 
    • 同胞:3.6, 95% CI 1.7 to 8.0

<考察>

  • 今回の研究は、これらの関連について因果関係を明らかにする内容の研究ではないが、これまでの小規模な研究の結果を支持する内容だった
  • ペースメーカー留置が脳梗塞を予防する効果は大きいかもしれない
    • 脳梗塞を発症した4人のうち3人は、ペースメーカーをしていなかった
  • 心疾患がCHB patientsで一般集団より多かったのは、同胞でも多かったことから、reporting biasもあるかもしれない
  • 感染症に関しては、ペースメーカー留置に伴う二次的な感染症や、CHB patientsはprematureな段階で出生すること、一般集団よりも医療機関を受診する頻度が多いことがより感染症の診断がつきやすいことが関係しているかもしれない

2018年3月22日木曜日

補体の活性化が、SLE ± APS妊婦の妊娠合併症を予測する


Kim MY, et al. Ann Rheum Dis 2018;77:549–555. doi:10.1136/annrheumdis-2017-212224 


背景
  • SLE ± APSの妊婦は、妊娠中の有害事象(APOs)のリスク(子癇、胎児死亡、胎児発育障害など)が増加する
    • APOsを予測するリスク因子の同定について研究がすすめられてきている
  • マウスの研究では、炎症、特に補体活性化と好中球の誘導が、胎盤不全、胎児死亡、胎児発育障害に重要であることがわかった
    • 補体活性化が、白血球の浸潤を促進し、TNF-α や、血管成長阻害因子であるsoluble fms-like tyrosine kinase-1 (sFlt1)の産生を誘導する
  • 補体の活性化は、classical, alternative, lectin pathwaysの3つがある
    • これらの経路は、C3を介して、以下の共通のエフェクターを誘導する
      • anaphylatoxins
      • opsonins
      • the membrane attack complex 
    • classical, alternativeの経路に関わる物質(factor B, C4, C3, C5) を欠損したマウスでは、aPLによる胎児の障害に対して抵抗性を獲得するため、この両者の経路が重要であることが示唆されている

  • ヒトにおける研究でも、aPLによる妊娠合併症における補体の役割は、上記を支持している
    • classical pathway 活性化のマーカーであるC4dが、SLE ± APSの妊婦の胎盤に認められる
    • 原発性APSについての2つの研究では、軽度の低補体血症が認められることを報告している
    • SLE ± APSの妊婦が子癇を発症するリスクとして、補体制御蛋白のvariantsが報告されている
    • 自己免疫疾患を有さない妊婦のprospective studyにおいて、子癇の発症と、alternative pathwayの活性化によって産生されるBbの増加が、強く関連していることが報告されている
  • 今回は、SLE ± APSの妊婦において、妊娠第2半期前における血清の補体活性化の変動が、APOsと関連するか調べた(PROMISSE Studyのデータを使用)

方法
  • PROMISSE Study
    • Predictors of pRegnancy Outcome: bioMarkers In antiphospholipid antibody Syndrome and Systemic Lupus Erythematosus 
    • 大規模、多施設、多人種、prospective
    • 妊娠した時点では軽症〜中等症の疾患活動性であるSLE ± aPLの女性における、APOを予測する臨床所見・検査所見について調べた研究
    • 2003/9 - 2013/8 に、妊娠12週以内の症例をリクルート
    • コントロールとして、健常人を人種でマッチさせてリクルート
    • 除外規定:APOsと関連する他の因子を有している症例
      • PSL > 20mg/day
      • 尿蛋白 1g/gCr
      • sCr > 1.2mg/dl
      • 糖尿病あり
      • BP > 140/90 mmHg
  • APOsの定義
    • 妊娠12週後以降の胎児死亡
      • 染色体異常、解剖学的異常、感染症を除く
    • 発育不全もしくは胎盤不全によって、退院前に生じた新生児死亡
    • 妊娠高血圧、子癇、胎盤不全による36週間以内の早産
    • small-for gestational-age (SGA) neonate (<5th percentile) 

結果
  • 770人の妊婦(SLE ± aPL)をスクリニーングし、487人を解析
    • 内訳
      • SLE:326人(66.9%)
      • SLE + sPL:60人(12.3%)
      • aPL:101人(20.7%)
    • APOsがあった症例:100人(20.5%)
      • 妊娠12週後以降の胎児死亡
        • 27人(5.5%)
      • 発育不全もしくは胎盤不全によって、退院前に生じた新生児死亡
        • 5人(1.0%)
      • 妊娠高血圧、子癇、胎盤不全による36週間以内の早産
        • 49人(10.1%)
      • small-for gestational-age (SGA) neonate (<5th percentile) 
        • 47人(9.7%)
    • コントロール(健常人):204人
      • APOsがあった症例:7人(3.4%)
  • baseline characteristics(table1)
    • SLE ± aPLを有する女性のうち、以下の項目が有意にAPOsと関連した
      • aPL陽性、LAC陽性
      • 血圧高値
      • BMI高値
      • 血栓症の既往
      • ヘパリンや降圧薬での治療歴
    • 以下の項目は有意差なし
      • 人種
      • 年齢
      • 出産歴
      • ループス腎炎、タンパク尿の既往
      • アスピリン、ステロイドの使用歴
      • 喫煙歴



  • BbとsC5b-9に注目
    • SLE ± aPLの患者群でAPOsがあった症例では、妊娠12−15週という早期の段階から、BbとsC5b-9の有意な増加を認めた
    • SLE ± aPLの患者群でAPOsがない症例でも、健常人と比較すると増加していた
    • 全ての群で、妊娠経過に伴い低下していったが、低下の割合は健常人と比較して緩やかだった
    • なお、SLE ± aPLの患者群のBbとsC5b-9は、有意に相関していた
      • 12-15週
        • 0.49 (P<0.001) 

      • 36-39週
        • 0.68 (P<0.001) 



  • 血管新生因子(sFlt1, PIGF)との関連
    • Bb・sC5b-9と、sFlt1・PIGF・sFlt1/PlGFとの関連を調べたところ、中等度の関連が見られた(0.25は超えない程度)
    • sFlt1/PlGFによって調整した後も、BbとAPOs・sC5b-9とAPOsの関連は有意だった

  • 多変量解析(table2)
    • SLE ± aPLの患者群
      • 交絡因子(table2のvariable)で調整後も、12-15週におけるBb、sC5b-9は、有意にAPOsと関連していた
        • Bb
          • ORadj=1.41 per SD increase; 95%CI 1.06 to 1.89; P=0.019 
        • sC5b-9
          • ORadj=1.37 per SD increase; 95% CI 1.05 to 1.80; P=0.022 
    • 健常人
      • 12-15週におけるBbは、有意にAPOsと関連していた
        • Bb: 0.91 vs 0.71μg/mL
          • P=0.03
      • sC5b-9は有意差なし
        • 241.5 vs 226.5ng/mL , p=0.66



  • 他の補体因子について
    • C5a, C4d, iC3bは、APOsとの関連は有意でなかった
    • C3aは、bivariate avalysisでは有意だったものの、多変量解析にすると有意でなかった
      • 一方で、Bbは有意のままだった




まとめ


    • SLE ± aPLの妊婦において、Bb・sC5b-9の増加とAPOsは有意に関連した
      • これは、補体活性化(特にalternative pathway)と胎盤不全の関連によって、妊娠合併症を引き起こすという考えを支持している
      • 特にaPL陽性患者において、alternative pathway活性化とAPOsの関連が強かった
        • これは、マウスの実験において、factor Bを欠損したマウスが、aPLによる胎児発育不全・胎児死亡に対して抵抗性を有していたことと一致する
    • SLEとaPLの病態では自己抗体の関与が重要であるが、classical pathwayの構成要素よりも、alternative pathway fragmentであるBbが、APOsとの関連が最も強かった
      • Bb・sC5b-9の相関関係が有意であることが、alternative pathwayが補体活性化の主要経路であることを示唆している
      • classical pathwayの活性化は、抗体の親和性とサブクラスに依存しているが、aPLはIgG2が多く、このタイプはclassical pathwayの活性化に対しては弱い
        • classical pathway以外を活性化する抗体が沈着することで、membrane-bound complement regulatorを阻害し、持続的なalternative pathwayの活性化を誘導する
        • さらに、好中球由来 or 血小板由来のプロテアーゼによる補体因子の分解によって、classical pathwayはbypassされることになる
    • 正常妊娠では、胎盤は、母体ー胎児の境界部位で、補体を介した免疫による攻撃を受ける
      • その際、trophoblast cellsから産生される阻害因子によって、補体の活性化はうまくコントロールされている
      • しかしながら、aPL ± SLEの患者では、制御因子を上回るほどの過剰な補体活性化が末梢血中と胎盤において生じており、それによって胎児がリスクに晒される
    • 浸潤した白血球によって、血管新生阻害因子であるsFlt1が過剰に産生され、胎盤不全を生じる
      • それによる絨毛間の循環不全が、妊娠が進むにつれて、trophoblastでの大量のsFlt1合成を刺激する
        • これは補体による直接的な影響ではないため、補体因子とsFlt1の間の関連はそこまで強くなかったのはあまり驚くことではないかもしれない
    • PROMISSE studyの患者は、疾患活動性が比較的落ち着いている患者を対象としているが、APOsがなかった患者も、baselineにおけるBbとsC5b-9が、健常人と比較して有意に高かった
      • SLEとAPSの患者において、たとえ疾患活動性が落ち着いていても、長期間の補体活性化があると、胎盤不全と関連する白血球の誘導や血管新生阻害因子の増加を引き起こすかもしれない
    • 興味深いことに、SLEPDAI scoresと、BbとsC5b-9は有意に相関していた
      • 既報では、小規模な研究ではあるものの、BbとsC5b-9の増加が、SLE妊婦の疾患活動性と関連することは報告されている
      • 補体の値は、合成(エストロゲンによって補体合成は刺激される)と消費の両者を反映している
        • 今回の研究では妊娠早期における補体活性化による産物増加がAPOsと関連しており、以前に筆者らが報告したbaselineから第2半期にかけてのC3のより少ない増加がAPOsと関連したという結果も考慮すると、補体活性化は、APOsの結果というよりも、APOsを引き起こすものと言えるだろう
    • classical pathway fragmentであるC4dの沈着が、SLE ± APS妊婦と子癇患者の胎盤と、子癇患者の腎臓において認められることから、sPLによる局所におけるclassical pathwayとlectin pathwayの活性化についてはより調べる必要がある
      • 重要なことであるが、補体活性化の原因に関わらずalternative pathwayは活性化し、末梢血の補体 fragmentsは、胎盤における活性化の程度を反映していないかもしれないことを念頭において置く必要がある

    2017年10月25日水曜日

    高安病患者における妊娠経過について:ノルウェーの集団研究より


    Arthritis Care & Research
    Vol. 69, No. 9, September 2017, pp 1384–1390 

    本文中の図やグラフは元論文より引用しております。

    背景

    • 高安病は、大動脈とその第一分枝を病変とする全身性血管炎である
    • 潜在的に進行し、非特異的な症状を呈するので、診断が遅れやすい
      • 血管炎により、血管狭窄・閉塞、血管拡張、動脈瘤が生じる
      • 臨床的には四肢末梢循環不全、慢性高血圧、脳血管障害、心血管障害が生じる
    • 疫学
      • スカンジナビアのコホートでは、高安病の発症率は1年あたり 0.4-2/100万人と報告されている
      • ノルウェイでの有病率は25/100万人だった
      • 妊娠可能年齢の女性に発症するのが典型的なので、妊娠に及ぼす影響が重要である
      • 既報では、妊娠が疾患活動性に影響することはなかったが、妊娠合併症である高血圧・子癇・早産・流産・子宮内胎児発育不良に関連するといわれている
        • 妊娠合併症の頻度は報告によってまちまちであり、日本・北米・ヨーロッパからの報告では妊娠予後は良好だったが、インドからの報告では不良だった
        • フランスの多施設研究では、高安病患者において53%でなんらかの妊娠合併症を発症した
    • 上記のような専門施設からの報告では一般人口と比較してデータを出すことが難しく、これまで患者申告による報告がなかったので、今回の研究ではそれに関して調べた

    方法
    • 2013年、ノルウェイの南東に在住する全ての高安病患者を含むコホートを設立した
      • 組み込み基準はACR分類基準もしくは石川診断基準を満たす

    ※高安大動脈炎分類基準:ACR1990年
    <項目>3項目以上で分類する。
    1. 高安大動脈炎と関連する症状や所見が40歳以下で出現
    2. 一つ以上の四肢、特に上肢で、運動時に筋肉の疲労感や不快感が増悪する
    3. 片側または両側上腕動脈の脈動の低下
    4. 両上肢間で収縮期血圧が10mmHg以上差がある
    5. 片側あるいは両側の鎖骨下動脈、あるいは腹部大動脈で血管雑音を聴取する
    6. 大動脈、主要分枝、四肢の中枢の大血管で画像上の狭窄や閉塞を認める。ただし動脈硬化、線維筋性異形成などによるものではない




      • 人数:78人(女性68人)
      • 妊娠・出産回数、妊娠結果などについては質問票を利用。妊娠合併症はカルテも利用。
      • 画像検査によって以下の通り分類
        • Ⅰ: 大動脈弓分枝のみ
        • Ⅱa:上行大動脈、大動脈弓とその分枝
        • Ⅱb:Ⅱa+胸部下行大動脈
        • Ⅲ:胸部下行大動脈、腹部大動脈、腎動脈、あるいはそれらの組み合わせ
        • Ⅳ:腹部大動脈、腎動脈、あるいはその両方
        • Ⅴ:全大動脈とその分枝、Ⅱb+Ⅳ


    • 疾患活動性についてはNIHの基準を利用
      • 2つ以上を活動性ありと診断
        • 全身症状
        • CRP or ESR上昇
        • 血管病変による虚血症状(四肢の破行、脈拍欠失、bruits、血圧の左右さ、血管炎による疼痛)
        • 画像上での新規血管病変の出現
    • 寛解の定義
      • 臨床所見・検査所見の正常化
      • 新規血管病変なし
    • 寛解維持の定義
      • PSL < 10mg/dayにて、上記寛解を少なくとも6ヶ月間維持している

    結果
    <Characteristics of this cohort>
    • 上記コホートにおける女性68人のうち、58人(88%)から同意をえて解析(table1)
      • 平均発症年齢:30.3歳
      • 平均フォロー期間:11.7年
      • 妊娠歴あり:44人(76%)
        • 計妊娠回数:110回
          • 発症前の妊娠:73回
          • 発症後の妊娠:37回


      • 妊娠した女性(44人)のうち、出産した人数:41人
        • 出生した新生児の数:76人
        • 2回以上出産した人数:27人(47%)
        • 高安病発症後に出産した人数:17人
          • 出生した新生児の数:25人
          • これらのうち、2000年以後に出産:79%
          • このうち4例は、発症後に生まれ、診断は出産後だった
            • 1人は海外で妊娠、出産した。重症子癇、脳梗塞を起こした。
            • もう1人は35週で早産だった。
            • もう1人は妊娠経過中にCRP増加、血管痛あり第3半期で診断された。27週で緊急で帝王切開した。
        • 早産、過期産、中絶の頻度は、高安病発症前後の妊娠で差はなかった
          • しかしながら、帝王切開の頻度は高安病発症後の妊娠で有意に多かった


      <妊娠前後の疾患活動性について>

      • 高安病発症後に妊娠し、無事に出産した17例のうち、14例で妊娠前の疾患活動性のデータを得られた
        • 寛解でなかった人(NIH>0):10人(60%)
        • 無治療で寛解を維持(>6ヶ月間):3人(18%)
        • 寛解(<6ヶ月間):1人(6%)
      • 高安病発症後に妊娠した計23人(計24妊娠)のうち、妊娠前6ヶ月以内のL/Dについて
        • CRP増加 or ESR増加:15妊娠(63%)
        • NIH ≧ 2:14妊娠(58%)
      • 高安病発症後に妊娠した計23人の、研究期間中の最終フォロー時点での疾患活動性
        • 寛解:17人(74%)
        • 寛解を維持:14人(61%)
          • これらは、高安病発症後に妊娠していなかった人(それぞれ53%, 28%)よりも有意に高い値(p=0.02, OR 4; 95% CI 1.2-12.7)

      <妊娠をした人としていない人の違い(table3)>
      • 妊娠しなかった人の14例のうち、2例は発症時点で50歳以上だった
        • 残りの妊娠しなかった12例について
          • 6例(50%)は広範な血管病変(type Ⅴ)を有していた
            • 妊娠例のうち、type Ⅴ症例は4/16(25%)だった
          • 5例(42%)は腎動脈狭窄を認めた
            • 妊娠例のうち、腎動脈狭窄症例は1/16(6%)だった
          • IFXでの治療例が67%と多かった
            • 妊娠例のうち、IFX治療症例は19%だった
          • 全例でDMARDs, ステロイド使用していた
            • 妊娠例のうち、使用していた割合はそれぞれ56%, 75%



      <妊娠前・中・後の治療について>

      • 高安病発症後に妊娠して出産した17例のうち、
        • 妊娠中にPSL使用:8例(47%)
          • PSL>10mg/day:2例
          • AZA併用:1例
        • 妊娠前、妊娠中にIFX使用:1例
          • その症例では2人出生し、そのうち1人は早産だった(30週)。そして、2人出生する前に、PSL+AZA治療中で2人流産している。
        • 妊娠前のみIFX使用:1例
          • その症例では1人出生し、35週で早産している
        • 上記IFX使用症例は、いずれも妊娠前・妊娠中の疾患活動性は高かった
      • 妊娠前における治療薬剤
        • PSL:83%
        • DMARDs:57%
        • 生物学的製剤:34%
      • 妊娠を経験した人における、研究期間中の最終フォロー時点における治療薬剤
        • PSL:61%
        • DMARDs:39%
        • 生物学的製剤:17%
      • 妊娠しなかった人における、研究期間中の最終フォロー時点における治療薬剤
        • PSL:83%
        • DMARDs:74%
        • 生物学的製剤:46%


      <一般集団との比較(table4)>

      • 23人妊娠し、そのうち17人(74%)が出産を経験した
        • 17人のうちMRBNのデータが利用可能な16人を、一般集団のレジストリーから年齢でマッチさせたコントロールを抽出して比較
          • 妊娠し、無事に出生した割合:高安病患者群で有意に低い
          • 帝王切開率:高安病患者群で有意に高い
            • 帝王切開したかどうかは、罹患年数・疾患活動性、治療内容とは関連なかった
            • 帝王切開した症例のうち、妊娠前の疾患活動性のデータが判明した3例において、全ての症例で疾患活動性が高かった
          • 高安病患者群において、死産なし、胎児発育不全なし
          • 平均出産週数:高安病患者群で37.5週と有意に短かった
          • Apgar score:有意差なし(9.5 vs. 9.3)
            • 高安病患者内において、Apgar score < 7 の出産例はなかった
          • NICU入室症例も有意差なし
          • 奇形を有する新生児の割合も有意差なし(6.7% vs. 3.3%, p=0.5)




      <妊娠の際における患者の精神状態について(table5)>

      • 少なくとも1つ以上の不安なことがあった患者の割合:80%




      まとめ
      • 高安病患者の妊娠経過は比較的良好だった
        • 一般人口と比較して
          • 2週間ほど出生週数が短かった
            • しかしながら、子宮内胎児発育不全症例はいなかった
          • 出生率は低い
            • 1.5 vs. 2.1
          • 母子ともに重篤な合併症は増えない
        • 日本で報告されたものを支持する結果だった
          •  Hidaka N, Yamanaka Y, Fujita Y, Fukushima K, Wake N. Clinical manifestations of pregnancy in patients with Takayasu arteritis: experience from a single tertiary center. Arch Gynecol Obstet 2012;285:377–85. 
        • しかしながら、フランスからの既報では、半数において母子ともに合併症を発症すると報告されていた
          • この報告では、半数が妊娠中に診断された症例であ理、半数以上がアフリカ人であることも影響しているだろう
          • 実際に、子癇前症・子癇・IUGRの頻度に関しては、今回の結果と同等だった
        • インドからの既報では、高血圧や母体死亡などの割合が多かった
          • この報告では、半数において腎動脈狭窄を認めていた
            • 今回の報告では、妊娠例で腎動脈狭窄を認めたのは1例のみ。この症例では、妊娠中に発症し、重症の子癇と脳梗塞を発症したが、無事に出生した
        • これらを踏まえると、高安動脈炎のtypeと、妊娠前・中・後のいつ診断されたかによって妊娠予後が変わると考えられる
          • 妊娠前に診断されている場合には、専門医による密な経過フォローが可能である
      • 帝王切開の割合は高かったが、その半数では特に妊娠合併症が明らかでなかったにも関わらず施行された
        • このことからは、医療者側が血圧管理などの面から帝王切開を選択したものと考えられる
      • 高安病患者のうち、60%が妊娠前に疾患活動性を有していた
        • 妊娠症例では、74%が妊娠前に寛解に入っており、61%が寛解を維持していた。
          • 一方で、妊娠しなかった症例では、寛解していたのは28%のみだった。かつ、DMARDs、生物学的製剤の使用割合も妊娠した患者群よりも多かった。
      • 今回の症例のうち、1/3の割合で、腎動脈狭窄、冠動脈狭窄、肺動脈狭窄、疾患活動性が高いこと、生物学的製剤を使用していることで医師から妊娠を控えるよう言われていた

      2017年10月24日火曜日

      妊娠経過中におけるRA疾患活動性低下と関連する因子:PSL使用なし、血清反応陰性


      Arthritis Care & Research
      Vol. 69, No. 9, September 2017, pp 1297–1303


      本文中の図やグラフは元論文より引用しております。

      背景

      • 妊娠では、40-70%のRA患者がは疾患活動性の低下を経験する
        • 16-27%では寛解するものの、50%では第三期ににおいて疾患活動性が高いままである
      • 妊娠中の母体RA活動性と妊娠予後は負の相関があり、低疾患活動性を維持することが重要である
      • 多くのDMARDsは妊娠中は使用できず、主にはPSL, SASP, HCQであり、最近ではTNF阻害薬も増えてきた
        • 副作用の観点からも、可能な限り妊娠中の薬剤は使用を控えたい
        • TNF阻害薬は、第1半期の安全性が懸念され、多くは妊娠が判明したら中止される
          • 胎児のFc受容体への親和性が高いTNF阻害薬は、第2・3半期に胎児へ移行し、母体より血中濃度が高くなるため、一部の専門家は妊娠20週以前に中止した方がいいという
        • PSLは早産、妊娠高血圧、妊娠糖尿病、前期破水に関連があると言われている
        • しかしながら、これら薬剤の使用を控えることが、活動性再燃のリスクにも繋がるため、慎重な漸減が必要である
      • 今回の研究では、妊娠初期におけるどういった要素が第3半期におけるRA低疾患活動性に関連があるか調べた
        • 単変量解析を行った既報では、自己抗体の有無、DAS28-CRP、PSLの使用が挙げられていた。しかしながら、これらを多変量解析を行った研究はまだなく、SASPの使用、出産回数、過去のMTX使用歴、erosionの有無、RA罹患期間などを含めて多変量解析を行った

      方法
      • the Pregnancy-Induced Amelioration of Rheumatoid Arthritis(PARA)studyという、妊娠中におけるRAの疾患活動性のデータを集めたオランダの前向きコホートを解析した
      • 対象
        • 1987分類基準を満たすRA患者
      • 2002年〜2008年にかけて、妊娠希望もしくはすでに妊娠中(第1半期)の475人のRA患者がスクリーニングされ、369人がRAPA studyに組み込まれた
        • そのうち205人が1回以上妊娠した
        • 12週以内に流産した、DAS28-CRPが欠損している患者は除外
          • 168人(190妊娠)が解析された
            • そのうち110人が妊娠前DAS28-CRPのデータあり

      結果

      • 解析された168人(190妊娠)のcharacteristics(table1)
        • 第1半期における平均年齢:32.2歳
        • 平均罹患期間:4.8年
        • RF or ACPA陽性:75.3%
          • RF陽性:70%
          • ACPA陽性:61.1%
        • seronegative(RF, ACPA陰性)
          • 24.7%
        • erosionあり:62.1%
        • 平均DAS28-CRP
          • 第1半期:3.6 ± 1.2 
            • 低疾患活動性(DAS28-CRP < 3.2):40.5%
            • 寛解(DAS28-CRP < 2.6):22.6%
          • 第3半期:3.3 ± 1.2
            • 低疾患活動性(DAS28-CRP < 3.2):50%
            • 寛解(DAS28-CRP < 2.6):30.5%
          • 産後12週目:3.5 ± 1.1
        • 治療
          • PSL使用:42.1%
            • 第1半期:36.8%
            • 第3半期:30.5%
            • 平均使用量:7.5mg/day
          • SASP:32.6%
            • 第1半期:30.0%
            • 第3半期:26.8%
            • 平均使用量:2000mg/day
          • HCQ:3.2%
            • 第1半期:2.6%
            • 第3半期:2.1%
            • 平均使用量:200mg/day
          • drug-free
            • 第1半期:44.7%(85人)
            • 全妊娠期間:39.0%(74人)
              • 第1半期の後から治療を開始した11人は、6人PSL、5人SASP
          • PSLを使用していた患者の平均DAS28-CRP
            • 第1半期:4.8
            • 第3半期:4.6
            • 低疾患活動性(DAS28-CRP < 3.2)を達成していた患者は皆無
          • 過去にMTX使用歴あり:61.1%
            • 全例、妊娠が判明した時点で中止
          • 過去にbDMARDs使用歴あり:17.4%
            • 全例、妊娠が判明した時点で中止



        • 第3半期において低疾患活動性(DAS28-CRP < 3.2)と関連していた因子(table2)
          • 単変量解析で以下は有意に負の関連あり
            • 第1半期においてDAS28-CRP ≧ 3.2
            • 自己抗体陽性
            • 第1半期においてPSL使用
          • 多変量解析で以下は有意に負の関連あり
            • 第1半期においてDAS28-CRP ≧ 3.2
        • 第3半期において寛解(DAS28-CRP < 2.6)と関連していた因子(table2)
          • 多変量解析で以下は有意に負の関連あり
            • 第1半期においてDAS28-CRP ≧ 3.2
            • 自己抗体陽性





        • 第1半期における疾患活動性で、低疾患活動性(DAS28-CRP < 3.2)である群とそうでない群(DAS28-CRP ≧ 3.2)に分けた層別化解析(table3)
          • 第1半期において低疾患活動性(DAS28-CRP < 3.2)だった患者群
            • 第1半期におけるPSL使用、自己抗体陽性:いずれも第3半期における低疾患活動性達成とは関連なし
          • 第1半期において低疾患活動性でなかった(DAS28-CRP ≧ 3.2)だった患者群
            • 第1半期におけるPSL使用:第3半期における低疾患活動性達成と負の関連あり
            • seronegative:第3半期における低疾患活動性達成と正の関連あり



        • 第1半期において低疾患活動性でなかった(DAS28-CRP ≧ 3.2)だった患者群を、さらに第3半期における疾患活動性で低疾患活動性(DAS28-CRP < 3.2)の群と寛解(DAS28-CRP < 2.6)の群に分けて層別化解析(table4)
          • 第1半期におけるPSL使用:低疾患活動性の群のみで関連あり
          • seronegativeであること:寛解の群のみで関連あり


        • 第3半期において低疾患活動性を達成したのは95人
          • 第1半期において低疾患活動性だった77人のうち、74%が第3半期においても低疾患活動性を維持
          • 第1半期において低疾患活動性じゃなかった人のうち、第3半期において低疾患活動性を達成した割合が最も高かった患者群は、第1半期ににおいてPSLを使用していなかった患者

        • 第3半期において寛解達成したのは58人
          • 第1半期において低疾患活動性だった77人のうち、第3半期において寛解に達したのは45人(58.4%)
          • 第1半期において低疾患活動性じゃなかった人のうち、第3半期において寛解に達したのは5人のみ(5.5%)
            • 第1半期において低疾患活動性じゃなかったがseronegativeだった22人のうち8人(36.4%)が第3半期において寛解に達した

        まとめ
        • 以下の項目が、第3半期において低疾患活動性を達成することと関連していた
          • PSLを使用していない
          • 血清反応陰性
            • 以下のことは関連しなかった
              • 第1半期におけるSASPの使用
              • 出産回数
              • 過去のMTX使用
              • erosionの有無
              • RA罹患期間は有意に関連しなかった
              • 胎児の性別(データなし)
        • 母と胎児の遺伝因子が妊娠期間中のRA改善に影響を与えることが既報で報告されているが、実臨床で遺伝子を調べていないのであまり有用ではない
        • 妊娠経過におけるDAS28-CRPの低下は、もともと疾患活動性が高いほうが低下の程度が大きいことが既報で示されていたが、そういった患者群で実際に低疾患活動性もしくは寛解を達成できる割合は少なかった
        • PSLを使用している患者は、第1半期における疾患活動性が高かった(3.9 vs. 3.4)
          • しかしながら、第1半期において高疾患活動性(DAS28-CRP > 5.1)だった18人のうち、10人はPSL使用し、8人は使用しなかった
            • PSLを使用した10人のうち、8人は第3半期においても高疾患活動性だった
            • PSLを使用しなかった8人のうち、第3半期においても高疾患活動性だったのは4人
              • これらの結果を見ると、PSLそのものが妊娠経過におけるRA改善を妨げている可能性も否定できない
        • 今回の結果では、妊娠中に治療の漸減・中止を考慮するのは、すでに寛解もしくは低疾患活動性にある患者のみではなく、高疾患活動性でも血清反応陰性でありPSLを使用していない患者でも考慮されるかもしれない
          • 自己抗体陽性でPSLを内服している高疾患活動性の患者は、妊娠経過中は治療を弱めないほうがいいだろう
          • しかしながら、RCTで比較したわけではないので、推奨はできない
        • limitation
          • 妊娠経過中にbDMARDsを使用している患者はいない
          • 第1半期においてPSLを使用していた人がPSLを中断して第3半期の疾患活動性を高くし、PSLの使用が負の関連として検出された可能性は否定できない
            • 第1半期においてPSLを使用しており第3半期では中止していたのは12人であり、このうち1例のみ、第1半期で低疾患活動性で第3半期で疾患活動性が増加している
            • また、第3半期において第1半期よりPSL使用量が減っていた14例においては、第3半期において疾患活動性が増加していたのは2人のみだったので、上記limitationは当てはまらないだろう

        2017年10月19日木曜日

        経口避妊薬と授乳は、ACPA陽性RAの発症リスクを低下させる:スウェーデンの大規模集団研究より


        Orellana C, et al. Ann Rheum Dis 2017;76:1845–1852.  
        本文中の図やグラフは元論文より引用しております。

        背景

        • RAは環境因子や遺伝因子が複雑に相互作用する頻度の高い疾患である
          • 女性の方が、男性よりも2−3倍罹患しやすいため、女性ホルモンなどの関与が考えられている
        • ピル(経口避妊薬)を使用していると、RAのリスクが下がると既報では報告されていた
        • RF陽性もしくはACPA陽性など血清学的な因子がピル服用によるリスク低下と関連していると考えられていた
        • 授乳もRAリスク低下と関連していると考えられているが、いくつかの既報では逆にリスクとなるともいわれている
          • これら結果の違いは血清学的な要素の違いが原因と考えられる
            • Berglinらの報告では、より長い期間授乳していると、PTPN221858T多型を有している人 or RF陽性 or ACPA陽性の人はリスクが上がると報告した。
        • ACPA陽性RAでは、喫煙、PTPN22*R620W (1858C/T)  アレル、HLA-DRB1 shared epitope (SE)  がリスク因子として同定されている
          • 一方で、ACPA陰性RAで特定されているリスク因子は少ない
        • 今回の研究では、ピルと授乳が、ACPAが陽性か陰性かにわけ、RA発症に対してリスクとなるか、大規模集団ケースコントロール研究で調べた。また、授乳やピルが、それぞれ既存のACPA陽性患者におけるRA発症リスク因子(喫煙、PTPN22*R620W (1858C/T)  アレル、HLA-DRB1 shared epitope)と関連するか調べた


        方法
        • スウェーデンのthe Swedish Epidemiological Investigation of RA (EIRA) のデータを使用
          • リウマチ科医がRAと診断し、1987ACR-RA分類基準もしくは2010RA分類基準を満たした場合に組み込まれる
            • 今回は、EIRAの中の、18歳以上の女性に関する1996-2014年に得られたデータを使用
        • コントロール群:一般人口における年齢と居住地をマッチさせた人たちを使用
        • ピルや授乳に関する情報は質問票を使用

        結果
        • 2641人のRA症例、コントロール群として4251人を解析(table1)
          • ACPA陽性:66.5%
        Baseline characteristics among participants who replied to the questionnaire, excluding cases lacking ACPA-status (35 cases).
        Information on age at menarche and age at menopause available for 1211 cases/2596 controls and 757 cases/1548 controls, respectively.
        A pack-year is de ned as 20 cigarettes smoked every day for 1 year. The category ‘Other’ includes those smoking other tobacco than cigarettes (eg, cigarillos, cigars or pipe tobacco).
        Alcohol consumption de ned as number of drinks per week (one drink=12 g of alcohol) and categorised according to the quartile distribution among the controls. The two lowest categories (non-drinkers and low consumption) were merged for analyses.
        *p Value <0.0001 for the difference between cases and controls.
        †Oral contraceptive use after exclusion of four cases/seven controls who initiated use during the index-year. Ever oral contraceptive use is the sum of current and past use.
        ‡p Value <0.05 for the difference between cases and controls.
        §Information on breastfeeding available for 884 cases and 1949 controls (all parous women) from 2006. Quartile distribution among controls, with the two highest categories merged into one.
        ¶Only among postmenopausal women.
        ACPA, anticitrullinated protein antibodies; BMI, body mass index; EIRA, Epidemiological Investigation of Rheumatoid Arthritis; PMH, postmenopausal hormone therapy; RA, rheumatoid arthritis. 


        • ピルに関して
          • RA発症リスクのOR( vs. なし(never)群)(table2)
            • ピル使用経験あり(ever)群
              • OR=0.87, 95%CI 0.78 to 0.97
            • ピル使用している(current)群
              • OR=0.85, (95% CI 0.68 to 1.06) 
            • ピルを過去に使用していた(past)群
              • OR=0.87, (95% CI 0.78 to 0.98)
            • 上記の傾向は"ACPA陽性"群で顕著だった
            • 喫煙(pack-year)、飲酒にて調整しても結果は変わらず



        *Participants who started OC use during index-year (four cases/seven controls) were excluded from the analysis. Ever is the sum of current and past OC users.
        †Adjusted for age and residential area.
        ‡Adjusted for age, residential area, smoking (pack-years) and alcohol consumption (low (including non-drinkers), medium and high).
        ACPA, anticitrullinated protein antibodies; Ca/Co, number of cases/controls; EIRA, Epidemiological Investigation of Rheumatoid Arthritis; OC, oral contraceptive; RA, rheumatoid arthritis.


          • ピル使用期間が長いほどリスクは低下(table3)
            • この傾向はACPA陽性、陰性に関係なし
          • ACPA→RFに置き換えても同等の結果(dataなし)

        26 cases and 55 controls lacked information on duration of oral contraceptive use.
        *Duration of OC use categorised according to median value among controls.
        †Adjusted for age, residential area, smoking (pack-years) and alcohol consumption (low (including non-drinkers), medium and high).
        ACPA, anticitrullinated protein antibodies; Ca/Co, number of cases/controls; EIRA, Epidemiological Investigation of Rheumatoid Arthritis; OC, oral contraceptives; RA, rheumatoid arthritis.


        • 授乳に関して
          • RA発症リスクのOR( vs. 授乳期間:0-6ヶ月)(table4)
            • 13ヶ月以上授乳した場合
              • OR=0.77 (95% CI 0.63 to 0.94)
          • 上記の傾向は"ACPA陽性"群で顕著だった
          • 喫煙(pack-year)、飲酒にて調整すると有意差は低下
          • ACPA→RFに置き換えても同等の結果(dataなし)



        *Breastfeeding duration categorised according to quartiles values among controls, merging the two highest categories.
        †Adjusted for age and residential area.
        ‡Adjusted for age, residential area, smoking (pack-years) and alcohol consumption (low (including non-drinkers), medium and high).
        ACPA, anticitrullinated protein antibodies; Ca/Co, number of cases/controls; EIRA, Epidemiological Investigation of Rheumatoid Arthritis; RA, rheumatoid arthritis.


        • 以下(vs. 喫煙歴なし & ピル使用歴あり)
          • ピル使用歴なし & 喫煙歴なし
            • OR=0.99, 95%CI 0.81 to 1.21
          • 喫煙歴あり & ピル使用歴あり群
            • OR=1.71 (95% CI 1.47 to 1.99) 
          • 喫煙歴あり & ピル使用歴なし群
            • OR=2.34 (95% CI 1.95 to 2.82) 
              • interaction analysisでは、喫煙歴あり群のなかで、ピル使用歴の有無でinteraction analysisをおこなうと、"ピル使用歴なし"群は、有意に"ピル使用歴あり群"よりもリスクが増加していた
                • AP=0.28, 95%CI 0.14 to 0.42 
          • 以下はいずれもinteraction analysisにて有意差なし
            • ピル & shared epitope、PTPN22 
            • 授乳 & shared epitope、PTPN22 




        まとめ
        • ピルの使用歴があることは、有意にRA発症リスクを低下させた
          • 現在使用していることと、過去に使用していたことのリスク低下は同等だった
            • 有意差が出たのは過去に使用していた群のみだったが、これはサンプルサイズの違いだろう
          • 上記結果は、ACPA陽性群と陰性群に分けると、陽性群のみ有意だった
          • ピルによるRA発症リスク低下は期間依存性だった
          • 逆に、ピルの使用がACPA陽性RA発症率を増加させるという既報もあったが、それは診断から5年以内とinclusion criteriaを設定していたので、バイアスが生じたのだろう
        • 授乳も有意にRA発症リスクを低下させた
          • 期間依存性のリスク低下だった
          • 上記結果は、ピル同様、ACPA陽性群と陰性群に分けると、陽性群のみ有意だった
          • しかしながら、喫煙、飲酒で調整すると有意差が消失したので、これらは交絡因子なのだろう
          • 逆に、既報では授乳がRF/ACPA陽性RA発症リスクを増加させたという既報もあるが、サンプルサイズが少なくメディアによる対象症例収集という研究方法の違いも影響しているだろう
            • 最近のmeta-analysisでは、今回の研究と同様に授乳が発症リスクを低下させた
        • 喫煙歴とピルの使用は両者とも静脈血栓症のリスクをあげるので、静脈血栓症の既往がある人はピルの使用をしないように医師から言われていると思われるので、今回の結果が単に喫煙(RAの発症リスクとして確立している)している女性がピルを処方されていないのを反映しているだけかもしれない可能性は否定できない
        • 産後、RAの発症リスクは増加するが、これは授乳によって増加するプロラクチンが免疫を刺激しているからかもしれないといわれている
          • しかしながら、最近の研究では、プロラクチンはむしろ炎症を制御するとも報告されている
        • 授乳によって増加したプロゲステロンが炎症を抑制している可能性もある
          • 授乳中にはリンパ球のプロゲステロン受容体発現が増加し、プロゲステロン高値を妊娠後も維持すると報告されている
        • また、授乳中には糖質コルチコイドが増加するともいわれており、それが関与しているかもしれない
        • limitation
          • ピルの詳細な用量はわからず、使用していたかしていなかったかのみで調べた

        トファシチニブ開始後のリンパ球数、リンパ球サブセットの推移と感染症の関連について

        Evaluation of the Short‐, Mid‐, and Long‐Term Effects of Tofacitinib on Lymphocytes in Patients With Rheumatoid Arthritis Ronald van Voll...