Mofors J, et al. Ann Rheum Dis 2019;78:696–703.
doi:10.1136/annrheumdis-2018-214406
<背景>
- Congenital heart block (CHB)は、SSA抗体陽性の妊婦から生まれた新生児に起こりうる
- 一般人口では、約 1/23,000人
- SSA抗体陽性の女性からは、1 - 2%
- ペースメーカー留置が早い時期から必要になることもあるが、ペースメーカーの留置とその後の拡張型心筋症の発症が関連していることは知られている
- CHBは稀なので、CHBやそれに伴う合併症に関するデータを多く集めることは比較的難しい
- そのため、今回はスウェーデンのnation-wide healthcare registersのデータから、CHBに関する情報を収集した
<方法>
- SSA抗体陽性の女性から出生した、CHBを有する新生児 (n=119人)とその同胞(n=128人)の情報を集めた
- healthy controlは、the Swedish National Patient Registerから収集
<結果>
- 平均フォロー期間
- CHB group:17.1年
- 同胞グループ:18.4年
- CHB patientsは、一般集団よりも、心血管疾患のリスクが有意に高かった
- 心筋症 ± 心不全
- 16.8% (20人) vs 0.3% (3人)
- HR 70.0 (95% CI 20.8 to 235.4)
- 脳梗塞
- HR 39.9 (95% CI 4.5 to 357.3)
- CHB patientsは、感染症のリスクも高かった
- ペースメーカー留置をすることで、脳梗塞のリスクは下がるものの、心筋症 ± 心不全と感染症のリスクが増加した(Figure 1)
- CHB patientsとその同胞は、ともに、何かしらの自己免疫疾患を発症するリスクが高かった
- CHB patients:HR 5.7, 95% CI 2.83 to 11.69
- 同胞:3.6, 95% CI 1.7 to 8.0
<考察>
- 今回の研究は、これらの関連について因果関係を明らかにする内容の研究ではないが、これまでの小規模な研究の結果を支持する内容だった
- ペースメーカー留置が脳梗塞を予防する効果は大きいかもしれない
- 脳梗塞を発症した4人のうち3人は、ペースメーカーをしていなかった
- 心疾患がCHB patientsで一般集団より多かったのは、同胞でも多かったことから、reporting biasもあるかもしれない
- 感染症に関しては、ペースメーカー留置に伴う二次的な感染症や、CHB patientsはprematureな段階で出生すること、一般集団よりも医療機関を受診する頻度が多いことがより感染症の診断がつきやすいことが関係しているかもしれない
0 件のコメント:
コメントを投稿