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2018年2月13日火曜日

食物アレルギーにおける経口免疫療法(OIT)の機序


Immune mechanisms of oral immunotherapy 

Michael D. Kulis, PhD,a* Sarita U. Patil, MD,b* Erik Wambre, PhD,c* and Brian P. Vickery, MDa
Journal of Allergy and Clinical Immunology
Volume 141, Issue 2, February 2018, Pages 491-498 


はじめに

  • 経口免疫療法(OIT)の機序はまだわかっていない
    • 消化管粘膜の間葉系細胞・免疫細胞、二次リンパ組織、腸内細菌はルーチンでヒトから採取できないため、これらがどのように関与しているかわかっていない
    • 動物モデルからわかることも多くあるが、ヒトの食物アレルギーと異なるため、有用性は限られている
  • OITの目的は、食物アレルギーを脱感作させることである
    • 今回のレビューでは、その機序について、これまでのヒトでの研究にフォーカスを当てて述べていく



INITIATION PHASE
Mast cells and basophils


  • baselineでは、mast cellsとbasophilsが、高親和性IgE受容体FcεRIを細胞表面に発現しており、抗原特異的IgEによって刺激されると、IgE介在性アレルギー反応を生じる(figure1)
    • これらの反応は、OITを開始して数ヶ月以内に負荷抗原量を増量させていくごとに低下していく
    • そして、重要なことであるが、この反応性の低下は、抗原特異的IgEの低下を伴っておらず、むしろbaselineよりも増加していることが多いということである
      • しかしながら、OIT開始前にomalizumabによってIgEが低下していると、初期の負荷抗原量を多くすることができるのも事実である
        • これは、おそらく、IgEが低下することでbasophilsのFcεRIがdownregulationするからだと思われる
  • 粘膜組織に局在してlong-livedであるmast cellsはOITの際に採取して解析するのが技術的に難しく、それと比較して、末梢血に循環して解析しやすいbasophilsが研究対象として解析されてきた
    • mast cellsとbasophilsは、そもそも機能が異なる
    • 興味深いことに、OITでは、basophils活性化によるIgEシグナル経路全体を阻害する
      • ピーナッツに対するOITによって、basophilsによるpolyclonalなIgE抗体-卵アレルギー反応が低下することが知られている
    • 急速脱感作のマウスモデルによる研究では、短期間での脱感作は、mast cellsの抗原特異的IgEに対する反復刺激によって、カルシウム流入阻害とアクチンのリモデリングによって誘導されると報告されている
      • 他の報告では、表面結合IgEのendocytotisが、mast cellsの脱感作に重要だった(figure1)
      • しかしながら、これら脱感作されたマウスは、腹膜に抗原を投与すると反応するため、血中での反応性が残存していると考えられる
      • これらの研究結果から、局所(消化管)でのmast cellsの作用が、OITによる変化に関与していると考えられる
T cells
  • T cellsは、eosinophil活性化やB cellsによるIgE産生を刺激する
    • この反応は、主に、thymic stromal lymphopoietin(TSLP), IL-25, IL-33などの可溶性メディエーターによって上皮でTh2反応が生じることによって誘導されると考えられている
    • 逆に、Tregs, CD4陽性T cellsは、抗炎症作用を有するIL-10を産生し、抗原への末梢での免疫寛容に関与している
      • BregもおそらくIL-10産生に関与している
    • 抗原特異的Th2がアレルギー反応において重要であるように、抗原特異的CD4陽性T cellsがOITの効果に重要であると考えられる
  • OITのinitiaton phaseにおいて、抗原特異的IgEの増加が、認められる
    • すなわち、初期の低用量抗原刺激は、Th2反応を促進するのみではなく、Tregを抑制するのだろう(figure2)
    • 動物モデルでの研究によれば、IL-4はTh2反応を促進し、Tregを阻害し、末梢性のFoxp3陽性Tregの産生を抑制する
  • その後、負荷抗原量を徐々に増加させると、Th2活性が低下しTh2のクローナルな増殖が低下し、IL-10産生CD4陽性T細胞が増加する
    • この結果、抗原特異的IgG4抗体の産生を誘導し、IgE介在性アレルギー反応を抑制し、Th2細胞のde novo発生が抑制される
      • しかしながら、この時点ではまだ抗原特異的CD4陽性T細胞が多く存在するため、負荷抗原量を減量 or 中止すると、OITの効果が落ち、徐々に抗原特異的Th2が回復してくる 




Antigen-specific B cells and their antibodies: 

Bridging the initiation and consolidation phases 

  • 高親和性の特異抗体は、獲得免疫のhallmarkであり、IgE介在性過敏反応の特徴でもある
    • 抗原である食物の負荷によって、抗原特異的IgEは増加する(全IgEの中における比率も増加する)
    • 抗原特異的IgE抗体の質(クローナリティ、epitope specificity, 転写後修飾)も、アレルギーにおいて重要である
  • 抗原特異的 B cells の研究によって、ピーナッツOITに対する液性免疫の反応において、これらのクローナルな増殖が重要であることがわかった
    •  ピーナッツOITのinitiation phaseにおいて、memory B cellsとplasma cellsが、Ara h 2特異的IgG4・IgG・IgA増加とともに増加することが報告されている(figure3)




CONSOLIDATION PHASE 

  • この時期では、抗原特異的Th2が減少し、制御系免疫細胞が増加している
    • IgGがIgE-抗原反応を抑制する機序は、2つ考えられている
      • IgEを抗原から隔離する
      • ヒトのbasophilsに存在するinhibitory receptorであるFcγRIIbが、IgG-Fc領域と反応し、basophilsが抑制される

2018年1月31日水曜日

basophil由来のIL-4が、皮膚における食物抗原監査を促進し、食物アレルギーへの発症に関与する

 (J Allergy Clin Immunol 2018; 141(1): 223-234)




背景

  • thymic stromal lymphopoietin (TSLP) の過剰な産生とbasophilの浸潤は、アトピー性皮膚炎の病態と食物アレルギーの発症に関連していることが知られている
  • IL-4産生を介して、Th2細胞はB cellsのクラススイッチを誘導し、抗原特異的IgE反応が促進され、最終的にmast cellsによる反応が生じて食物アレルギーとなる
    • Th2 polarizationはIL-4シグナルに依存していることが多いが、naive T cells自体はIL-4を産生しないため、抗原特異的Th2反応がどのように生じるのか、わかっていない
  • TSLPとbasophilは、皮膚の感作によって食物アレルギー反応を促進する
    • しかし、TSLPによって誘導されたbasophilが、どのように、皮膚とそこから離れた部位にある他の粘膜(消化管など)にアレルギー反応を誘導するかはわかっていない
  • そのため、今回の研究は、basophilから産生されたIL-4が、食物抗原による皮膚と消化管のTh2反応においてどういった役割を果たすのか調べた
    • その結果、basophilが、TSLP依存性に皮膚へ浸潤し、食物アレルゲンのTh2感作を促進し、IgE介在性食物アレルギーを促進することがわかった
    • 以前に筆者らは、アトピー性皮膚炎患者の皮膚においては、TSLPによって誘導されたbasophilが、Th2 cellsよりも、IL-4産生源として重要であることを示している
    • すなわち、これらをまとめると、TSLPによって誘導されたbasophilが、IL-4産生を介して、食物抗原のTh2感作を誘導し、IgE介在性食物アレルギー反応を引き起こすことが示唆された


方法
  • 皮膚にOVAを免疫感作させアトピー性皮膚炎様の皮膚病変を有するマウスに、消化管へ抗原を投与し、IgE介在性食物アレルギーを誘導した
  • basophil由来IL-4産生が、Th2反応亢進やIgE介在性食物アレルギーの病態に必要なのか、naive T cellsとの共培養(in vitro)とbasophilからのIL-4産生が欠損しているIl4 3'UTRマウス(in vivo)で評価した

結果
  • 皮膚を介した食物抗原の感作には、IL-4を産生する自然免疫細胞(basophilやeosinophil)の皮膚への浸潤が浸潤していた
  • basophilと異なり、eosinophilを欠損させても結果には変わらなかった
  • IL-4を産生するbasophilと樹状細胞とnaive T cellsを共培養させると、IL-4依存性にTh2反応を誘導した
    • しかしながら、in vivoにおけるbasophil由来のIL-4産生は、食物によるアレルギー反応を抑制した

結論
  • TSLPが誘導したbasophilは、食物抗原の皮膚感作を促進し、IL-4を介してIgE介在性食物アレルギーを生じさせる
  • TSLP-basophil-IL-4 axis を標的にした治療は、アトピー性皮膚炎において、革新的な治療になる可能性があり、離れた部位に存在する粘膜でのアレルギー反応の発症を防ぐ可能性もある

2018年1月18日木曜日

好酸球について

①February 2018Volume 141, Issue 2, Pages 505–517

Eosinophils and eosinophil-associated diseases: An update

Jeremy A. O'Sullivan, PhD
, 
Bruce S. Bochner, MD



② 2017 Dec;17(12):746-760.


  • 好酸球は、骨髄から発生した、顆粒を含む白血球である
    • 顆粒球には、他に好中球、好塩基球、mast cellがある
  • 好酸球、好塩基球、mast cellは、転写因子であるGATA1(+)のgranulocyte–monocyte precursor (GMP) から分化する
    • GATA1(+):好酸球、mast cells, 巨核球、赤血球系
    • GATA1(ー)granulocyte–monocyte precursor (GMP) から分化:好中球、リンパ球、マクロファージ
  • Bouffiらは、好酸球の成熟の過程における、globalな転写因子の変化を調べた
    • GMPs, eosinophil lineage–committed progenitors (EoPs), 成熟した好酸球をマウスの骨髄から抽出し、RNAシークエンスで調べた
      • GMP ~ EoP stages:490 種類の遺伝子が変化していた
      • EoP ~ eosinophil stages:1199 種類の遺伝子が変化していた
      • 好酸球(GMPではなく)に発現している遺伝子の中で、56種類は転写因子をコードする遺伝子であり、その中に2種類のIkaros family members (Helios, Aiolos)が含まれていた
FIG 1. Recent advances in our understanding of eosinophil development, subset diversity, and function in peripheral tissues. Bone Marrow, Eosinophils develop from GATA-11 pre-GMPs in the bone marrow. These pre-GMPs give rise to GMPs that (at least in mice) respond to IL-33 through the ST2 receptor, which pro- motes eosinophil development and IL-5 receptor a (IL-5Ra) expression. GMPs express higher levels of pro- cessed XBP1 mRNA, which is essential later in development. These GMPs give rise to Siglec-F1IL-5Ra1 mouse eosinophil precursors (EoPres). Additionally, IL-33 promotes eosinophil development by inducing IL-5 expression from other bone marrow cells, acting on EoPres and EoPs, which then follow EoPres in line- age development. EoPs express higher levels of Helios and Aiolos, members of the Ikaros family of tran- scription factors, which can play a role in regulating gene expression during eosinophil development and remain highly expressed in mature mouse eosinophils. Proper granule maturation requires expression of the transcription factor XBP1, inhibition of cysteine protease activity by cystatin F, and crystallization of the granule protein MBP-1 in a nontoxic form. Improper granule maturation can lead to loss of cell viability and blockade of eosinophil development. The long noncoding RNA Morrbid is highly expressed in eosinophils and other short-lived myeloid cells and has been found to prevent cell death by inhibiting tran- scription of the proapoptotic Bcl2 family member Bim. Activated eosinophil, In the periphery eosinophil activation leads to granule acidification, thereby priming MBP-1 by altering its conformation. On release, MBP-1 exerts a toxic effect on pathogens and host tissues through aggregation. Lung, Distinct eosinophil subsets exist in the mouse lung distinguishable by surface marker expression: lung rEos that traffic to the lung under steady-state conditions and recruited iEos, which can be further subdivided by Gr-1 expres- sion that corresponds to distinct sets of chemokine and cytokine products. rEos appear to possess regula- tory properties, such as inhibiting maturation of type 2–biased allergen-loaded dendritic cells, that iEos do not. Sialosides on the mucins Muc4 and Muc5b bind to Siglec-F to induce eosinophil apoptosis in the mouse airway. ILC2s in the lung, in response to IL-33 signaling caused by Alternaria species exposure, pro- duce IL-5 that promotes eosinophilopoiesis. Adipose Tissue, IL-5–activated mouse eosinophils indirectly promote energy expenditure in beige adipocytes by inducing release of epinephrine and norepinephrine from AAMs through IL-4 secretion. ILC2s produce IL-5 but also act directly and independently on beige ad- ipocytes through release of enkephalin peptides. Both directly and indirectly, eosinophils cause blood vessel relaxation in PVAT through adiponectin and catecholamine release, respectively. The catechol- amines signal through b3-adrenergic receptors (b3-AR) on adipocytes to cause vessel relaxation through ni- tric oxide (NO) and adiponectin. Illustration were provided by Jacqueline Schaffer.
 



顆粒
  • 顆粒の内容も、細胞によって異なり、ヒトの好酸球は以下の4種類のcationic proteinを豊富に含んでいる
    • major basic protein 1 (MBP1; also known as MBP and PRG2)
    • eosinophil cationic protein (ECP; also known as RNase3)
    • eosinophil-derived neurotoxin (EDN; also known as RNase2) 
    • eosinophil peroxidase (EPX; also known as EPO) 
  • X-box binding protein 1 (XBP1) 
    • 転写因子であり、造血幹細胞のXbp1欠損マウスから、好酸球の成熟に必要であることがわかった
      • Xbp1欠損マウスでは、GMPs分画には影響しないが、EoPや成熟好酸球が減少する
      • これは、顆粒であるMBPとEPXの転写後成熟が欠損し、顆粒の形成が不完全となり、GATA-1の下流シグナルに影響するためと考えられている
    • 分泌細胞(plasma cells, Paneth cells, pancreatic acinar cells)とも関連がある
    • stress-response factorsをコードする遺伝子の転写を促進してunfolded protein responseの制御をしている 
  • cystatin F(leuxocystatinとも呼ばれる)
    • 内因性のシステインプロテアーゼ阻害因子
    • 顆粒の成熟と好酸球の生存に必須である

好酸球に関連するサイトカイン、ケモカイン
  • 好酸球の増加は、Th2細胞を介したサイトカインが関係している
    • IL-5:好酸球産生を促進し、好酸球を活性化する
      • IL-5を産生する細胞は、Th2細胞以外に、DCs, ILC2sが想定されている
  • IL-5よりは特異性が弱いが、IL-3, GM-CSMも好酸球のpriming、活性化、生存を促進する
  • IL-33
    • IL-1 family cytokine
    • ST2受容体(=IL-33の受容体であり、様々なtype2 immunity cellsに発現している)を介して、好酸球の増加・活性化へ作用する
      • pre-GMPがGMPへ分化し、IL-33にST2受容体を介して反応し、それによってIL-5受容体を発現するようになって成熟が促進される
  • Andersonらは、naive BALB/c マウスが真菌のaeroallergen(Alternaria alternata)に曝露した場合に、好酸球を肺にリクルートさせてくるのみではなく、骨髄における好酸球の産生を増加させることを報告した
    • この現象は、末梢血IL-5を中和させるか、ST2を欠損させるか、ILC2を欠損させたマウスでは生じなかった
      • すなわち、真菌抗原への曝露によってIL-33にST2を介してILC2が反応し、IL-5を産生したことが示唆される
  • eotaxin 1(CCL11), eotaxin 2(CCL24), eotaxin 3(CCL26) は、人において、組織局所への好酸球の誘導に関与
    • IL-4, IL-13により誘導され、IFNγによって抑制される
  • 好酸球は宿主の防御に関わると考えられてきたが、そうでないことを示唆するデータもある
    • 寄生虫感染症のモデルマウスでは、好酸球増多に保護的な役割がない
    • 多細胞生物の寄生虫にとっては、むしろ好酸球から産生されるサイトカイン(IL-10, IL-4)が宿主の免疫を抑制する


好酸球の長期生存を制御する因子
  • long noncoding RNA Morrbid が、成熟した好酸球やshort-lived myeloid cellsに高く発現している
    • これを欠損したマウスでは、これらの細胞がcell-intrinsic mannerにてアポトーシスを生じる
    • HESを有するヒト・マウスから抽出した好酸球生存に関係するサイトカインを加えると、好酸球のMorrbid 発現レベルは増加する。また、これらのサイトカインは、NF-κBシグナルの阻害を防ぐことでBcl-xLのup-regulationを誘導して好酸球の生存を促進する
    • 内因性のinhibitor NF-κB inhibitor α(IκBα)を好酸球のみ欠損させると、NF-κBの活性化とBcl-xLの発現が増加し、好酸球の生存が促進する
      • これらの研究結果から、Bcl-xLは好酸球の生存に必要十分であり、生存促進サイトカインはいくつかの経路を介して生存・アポトーシスに関係するBcl2 family membersのバランスを調節している
  • sialic acid–binding immunoglobulin-like lectin  F (Siglec F)は、マウスにおいて、cell-intrinsic mannerにて好酸球の生存促進を制御している
    • Kiwamonoらは、マウスにて、2種類のglycoproteins(Muc4, Muc5b)を、Siglec Fのリガンドとして報告している
      • マウスの気道上皮細胞から抽出したMucinsは、Siglec Fに結合して、好酸球を細胞死へと誘導する
      • Muc5b欠損マウスでは、気道の好酸球性炎症が増悪する
  • 他のLectinであるgalectin-1 もまた、好酸球をアポトーシスに誘導することで炎症を抑制する
    • galectin-1は、細胞表面のLacNAc residues in O- or N-linked glycansに結合する
    • 低濃度では、好酸球がVCAM1を介して血管へ接着するのを促進し、eotaxin-1 への遊走を阻害する
    • しかしながら高濃度では、好酸球をアポトーシスに誘導する
  • prostaglandin D2 receptor 
    • Th2リンパ球に発現しているケモカイン受容体(CRTH2)である
    • 好酸球を含む、type 2 immune cellsのマーカーとして使用される
    •  Huangらは、CRTH2を標的にした治療によって、type 2 immunityを抑制した

好酸球から産生されるメディエーターとその役割
  • 好酸球の顆粒
    • 好酸球の発生、分化、生存に関与:EPX, MBP1, XBP1
    • 各種サイトカインも前段階の形態で顆粒内に存在している:Figure1の通り


好酸球の同定
  • 組織局所に存在する好酸球は、すぐに細胞もしくは脱顆粒してしまうので、組織学的評価では同定するのが難しい
    • MBP1など、好酸球から産生される蛋白や顆粒の存在は、そこに好酸球がいたことを示し、それらに対するモノクローナル抗体で免疫染色をすると感度が上がる
  • フローサイトメトリーを使用すると、どの組織にどの程度好酸球がいるかわかる
    • これによって、正常の状態でも、様々な臓器にある程度好酸球が常在することがわかった
    • 使用する表面マーカーは下のtable1


脱顆粒の仕組み
  • 3種類ある
    • classical exocytosis
      • mast cellや好塩基球がIgE受容体であるFcεRI にリガンドが結合するのと異なり、in vivoでは好酸球が急速に脱顆粒する機序は認められないが、多細胞寄生虫の表面で脱顆粒するのは観察されている
      • 二次的に他の機序の2つが生じる
    • cytolysis with granule release
      •  cell-free granuleが放出され、これらには様々な受容体が含まれており、それにリガンドが結合するとシグナルが伝達される
    • piecemeal degranulation (PMD) 


好酸球を標的にした治療薬

2018年1月11日木曜日

食物アレルギー



Food allergyの国別有病率
  • gold standardは食物負荷試験だがリスクも高いため、診断が難しく、正確な有病率は把握できていない


  • 食物特異的IgE値も、食物によって有用性が異なる


病態
  • マウスモデルから判明した、食物抗原に対する、局所組織と免疫の反応に関わる要素(下のBox内)
  • 食物関連
    • アルコールや毒素など局所組織にダメージを与えるもの
    • アレルゲンのタイプと曝露量
    • アジュバントの存在とその量
    • 摂取方法(経口以外?)
      • IgEによる反応と消化の研究から、食物アレルゲンへの感作を避けるには経口摂取が重要
    • 食物の成分
    • 料理した時の温度
  • 個人関連
    • 年齢、免疫状態
    • microbiome
    • バリア損傷
      • 皮膚におけるfilaggrinの欠損は、皮膚の湿潤を失わせ、アレルゲンを経皮的に通過させ、黄色ブドウ球菌の皮膚へのcolonizationを引き起こし、総IgE値を増加させ、喘息やアトピー性皮膚炎を悪化させる
      • 市販の石鹸や界面活性剤が皮膚のバリアを破綻させる
    • ある種の薬物
    • 背景疾患(アトピー、皮膚炎、免疫不全など)

  • IgE mediatedとnon-IgE mediatedがある。


  • IgE mediatedのほうにはantigen specific IgGが保護的に作用している。


  • non-IgE mediatedには好酸球性食道炎などがある
    • 好酸球性食道炎では、遺伝的な背景やGERDなどによるダメージによって食道上皮細胞からTSLPやIL-33が産生される
    • これらがfood allergenが粘膜バリアを通過させる&basophils やAPCへの作用を介してTh2サイトカインを産生させてnaive Th0→Th2へ分化させる。
    • Th2サイトカインであるIL-3, IL-5, GM-CSFは、好酸球を増やす。IL-4は、血管内皮細胞にVCAMの発現を増やし、rollingと血管外への遊走を促進する。
    • 好酸球はCCR3でCCL26を認識して粘膜へ浸潤し、組織のダメージやTGFβを介して線維化をおこす。
    • mast cellやILC2も、それぞれ炎症性メディエーターやIL-4の産生に関与している。


immune tolerenceについて
  • 正常
    • antigenは、腸管上皮細胞の隙間や、M cells(Peyer patchesの上に存在)やgoblet cellsなどのactive transporterを介して粘膜内へ通過する。
    • また、腸管上皮細胞の間に樹枝状に存在しているCX3CR1+マクロファージや、粘膜固有層に存在するCD103+樹状細胞によっても、antigenは捕捉される。
    • これらの細胞は、それぞれIL-10やTGFβによってTregを誘導する。また、B細胞からのIgE産生を減らし、IgA・IgG4産生を増加させて、組織局所へのeffector T細胞の誘導を抑制し、好酸球・mast cell・basophilを抑制し、toleranceとなる。
    • Bregの役割に関しては、経口免疫療法(OIT)の後に食物特異的なIgG4が増加していることから、IgG4を増加させることと関連していると考えられている。IgG4の増加はIgEの低下と関連しており、IgE低下はIl-4低下(IL-4増加→IgE増加)・IL-10増加(IL-10増加→IgG4増加)の結果と考えられる
    • OITはまた、末梢血のピーナッツ特異的結合B細胞を増加させ、アレルゲン特異的IgG4のsomatic mutationを誘導する。
      • しかしながら、血清IgG4値と臨床的改善は必ずしも相関しない
    • IgAもまた、アレルギーに対する免疫療法で増加し、抗原が腸管上皮細胞に結合し通過するのをブロックしていると考えられているが、アレルギー反応を抑制する機序に関してはまだわかっていないことも多い
      • 実際、IgA欠損は、食物アレルギーのリスクが高まる
  • 一方で、toleranceがbreakdownしている状況
    • ある種のPAMPsの曝露やそれに続く腸管上皮細胞の損傷により、IL-25, IL-33, TSLPを産生する。
    • この状況では、樹状細胞はfood antigenによってTh2を誘導するほうに傾き、food antigenはすなわちallergenとなる。
    • Th2 cellsはIL-4を産生し、アレルギー反応を生じる
      • 局所のB細胞をIgE産生へクラススイッチさせる
      • mast cellsを増殖させてmast cellとIL-4のautocrine loopを形成させる
      • Tregを抑制&TregがIL-4を産生するようにreprogrammingする
    • ILC2sは、antigen specificityなしにIL-4とIL-13を産生し、Tregを抑制する。
    • OX40Lを介した樹状細胞活性化も、食物抗原への感作に重要である




Food allergyの予防
  • 湿疹をなるべく起こさない
  • vitDを不足させない
  • ピーナッツはローストではなくボイルする
  • フルーツや野菜を食べる
  • 西洋化に偏った食事をしない
  • microbial diversityを保つ
    • いろんな人と接する
    • 動物とも接する
    • 多少汚い水にも触れさせる
    • 抗生剤を使用する場合は適正使用を心がける
    • できるだけ経膣分娩する


経皮的免疫療法(epicutaneousimmunotherapy:EPIT)の機序

  • gastrointestinal tract–homing latency- associated peptide (LAP)+FoxP3ー Treg cells が、TGFβ依存性にmast cellsを抑制して、アナフィラキシーを予防する


トファシチニブ開始後のリンパ球数、リンパ球サブセットの推移と感染症の関連について

Evaluation of the Short‐, Mid‐, and Long‐Term Effects of Tofacitinib on Lymphocytes in Patients With Rheumatoid Arthritis Ronald van Voll...