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2018年3月24日土曜日

ミトコンドリアの遺伝子variationと痛風の関連:Polynesian peopleの研究より


Gosling AL, et al. Ann Rheum Dis 2018;77:571–578. doi:10.1136/annrheumdis-2017-212416


背景
  • 痛風は、Māori and Pacific (Polynesian)に多く、重症度も高く、若年で発症する傾向にある
    • 腎臓と腸管で尿酸を分泌するトランスポーターに関わる遺伝子変異が、Polynesianに存在することが報告されている
  • 高尿酸血症は、痛風発症には必要であるものの、高尿酸血症の全員が痛風になるわけではないため、尿酸結晶(MSU)を形成し急性炎症反応が生じるには、他の要素も必要だと考えられる
  • 痛風の炎症反応の初期には、複合体であるNLRP3 inflammasomeが活性化され、IL-1βが産生される
    • NLRP3 inflammasomeの構成物質の遺伝子変異は、痛風に関連していることが報告されている
  • ミトコンドリアは、NLRP3 を介した炎症反応に関連している
    • 興味深いことに、PPARGC1B gene のmissense 変異が痛風と関連しており、PPARGC1B geneの発現はMSUによって刺激される
    • PPARGC1B geneは、ミトコンドリアの生合成を維持するPPARγを活性化するPGC1βをコードしている
  • ミトコンドリアは、自身に、環状の16.5kBのゲノムを有している
    • そのゲノムは、oxidative phosphorylationの13サブユニットと24 RNA components(2rRNAsと22tRNAs)をコードしている
    • mtDNAは、様々な疾患と関連していることが報告されている
    • それぞれのミトコンドリアは、mtDNAを2-10コピー有しており、核酸構造であるミトコンドリアマトリックスの内膜に均等な間隔で存在している
    • mtDNAは代謝疾患と関連しており、SNP variantsが2型糖尿病と関連していることが報告されている
      • 2型糖尿病と痛風はしばしば共存しており、両者ともNLRP3を介した炎症反応が関与しているため、ミトコンドリアの遺伝子変異が痛風発症に関与している可能性があると考えられた
      • そのため、今回は、ミトコンドリアの変異・機能不全が痛風のリスク因子であるという仮説のもと、ミトコンドリア遺伝子変異とミトコンドリアのcopy numberの、痛風との関連を、Polynesianを対象に調べた

方法
  • 対象
    • ニュージーランドにて2006-2013年の期間に痛風と代謝性疾患の研究目的でリクルートされたPolynesianのコホート使用して解析
    • 痛風のACR基準を満たす
  • 再燃の回数は質問形式で調査
  • 437人のPolynesian(男性:432人、女性:5人)のmitochondrial genome sequencingを実施
    • 全例、母方の祖母はPolynesian
    • Mitochondrial DNA copy number variationは、3つの独立した検体で調べた
    • 代謝関連のcharacteristics(table1)



結果

haplogroupsとSNPsの、痛風との関連
  • 35種類のmitochondrial haplogroups が同定された(table2)
    • ミトコンドリア遺伝子の多様性はわずかであり、ほぼ大半(95.7%)がB4a1aとそのsublineagesに属していた

    • この中で、最も頻度の多かった3つのB4a1a1-derived haplogroups(table3)と、頻度 > 0.10であるマイナーアレルを有するSNPs(table4)は、痛風との関連が示されなかった




Heteroplasmyと痛風の関連
  • whole mitochondrial genome datasetの中のHeteroplasmy について調べたところ、16179-16183領域のheteroplasmic variants が痛風と関連した(table5, figure1)
    • これらの変異は、poly-cytosine tractの一部を形成する、16189Cの変異であるB-macrohaplogroup の近くに存在しているため、この領域のいくつかのB-haplogroup特異的な変異の結果であると仮説を立てた
      • B4a1a-derived lineageのみで調べたところ、16181のdeletionのみ、痛風とheteroplasmic variantsの関連が有意だった
  • 16189C alternate alleleを有するHeteroplasmyと関連する3つの主なハプロタイプを特定した
    • 16180の2bp deletion(16182と16183のreference A allelesとともに同時に存在する)
    • 16180の1bp deletion(16183Cと連鎖不均衡)
    • 16180にdeletionが存在しない(16181-16183のalternate C allelesと連鎖不均衡)



mitochondrial DNA copy number と痛風の関連
  • whole genome sequence と urate locus resequence data setsのin silico解析では、mtDNA copy number の減少と痛風発症が関連していた
    • mtDNA copy number が 10 copies 増加するごとに、痛風の罹患しやすさは、non-overlapping whole genomeでは13%低下 (OR 0.87, P=0.003) 、urate locus resequenceでは9%低下 (OR 0.91, P=3.3×10–4) data setsした(table6)
  • mtDNA copy number が、ミトコンドリアの機能不全によるNLRP3 inflammasome活性化(特に高尿酸血症の状況下での痛風発症)に関連していると仮説をたてた
    • そこで、高尿酸血症のコントロールを使用して調べたところ、有意差は維持していた(OR=0.89, P=0.007and OR=0.90, P=0.002, respectively) (table6)
  • この結果を確かめるために、1159人の別のPolynesianの検体でqPCRで調べた
    • 全体では有意差なかったが、高尿酸血症のコントロールと比較すると痛風の発症と有意に関連した(OR=0.76, P=0.03)(table6)





    mtDNA copy number と痛風"再燃頻度"との関連
    • 3つの患者群で調べたところ、上記の痛風発症のリスクとは逆の結果で、mtDNA copy number の増加が、1年間における痛風発作の再燃回数増加と強く関連していた
      • the urate locus resequence dataでは、mtDNAが100 copies増加することに、1年間における痛風発作の再燃が0.3回増加した(P=7.1×10–7)
      • the qPCR data setでは、negative ΔCtが1 unit増加するごとに、1年間における痛風発作の再燃が0.08回増加した(P=1.2×10–4)

    まとめ
    • 今回の研究は、mtDNA variationと痛風発症のリスクについて調べた最初の報告である
      • 頻度の多いPolynesianのmitochondrial variantsのいずれも、痛風との関連はなかった
      • しかしながら、対象者の96%が、B4a1a1-derived mitochondrial haplogroupsを有していた
        • 以前より、このPolynesianのhomogeneousは知られていたが、系統的な調査はされていなかった
        • これらのhaplogroupsが、Polynesianの痛風有病率の高さと関連していると考えられる
      • 今回、non-B4a1a1-derived lineagesに関しては十分に調べなかった
        • しかしながら、heteroplasmyと、mtDNA copy numberの減少が、痛風と関連することが今回示された
    • 痛風と関連があるheteroplasmyは、B macrohaplogroupを決定する重要なSNPsの1つである16189C variantと連鎖不均衡である
      • 16189C variantは、16184-16193のpoly-cytosine tractに影響している
      • homo-nucleotide tractsがポリメラーゼのslippageを生じさせるということは、最近わかってきている
      • 今回用いたサンプルのデータセットは、16189の C alleleの頻度は0.96だったため、16189C variantは痛風との関連の解析に含めなかった
        • しかしながら、16189C variantと16183C(heteroplasmic variantsの1つ)が高い相関関係にあった(Pearson’s correlation 0.81, P<2.2×10–16)ため、16189Cの存在はpoly-cytosine tractに直接的に影響し、それによってheteroplasmyにも影響しているのかもしれない
      • poly-cytosine tractに影響している16189C variantは、他の代謝性疾患にも関連していることが報告されている
      • heteroplasmic variantsが、翻訳の始点に近いHVR1のpoly-cytosine tractの長さを変化させる
        • これは、16189Cによって合成されたpoly-cytosine tractの違いがheteroplasmyの長さと関連しているという結果と一致している
        • poly-cytosine tractの延長によって、さらなるポリメラーゼのslippageが生じ、下流の機能に影響しているのかもしれない
        • 既報では、ミトコンドリアゲノムのpoly-cytosine tractの変化が悪性腫瘍と関連することが報告されている
      • もし翻訳が阻害されると、ミトコンドリアの生合成が障害され、不適切な自己炎症の抑制が障害されるのかもしれない
      • しかしながら、DNAのhomo-polymerを延長させるのは難しく、heteroplasmyと痛風の関連は、技術的なエラーの結果である可能性があることを注意しなくてはならない
    • 無症状の高尿酸血症の患者と比較して、痛風患者では、mtDNA copy numberの減少がみられたのは、MSU結晶±痛風の免疫学的反応が、mtDNA copy numberの減少が関連している可能性が示唆される
      • これに関連したいくつかのシナリオが考えられる
        • 1つは、疾患そのものがmtDNA copy numberの低下を起こし、mtDNA copy numberが疾患の指標となること
        • 2つ目は、mtDNA copy numberの低下が、ミトコンドリアの生合成やmitophagyを抑制した結果、疾患発症を生じさせる、ということ
        • 3つ目は、mtDNA copy numberの低下は、直接的には疾患と関連せず、他の交絡因子が存在すること(BMIなど)
    • mtDNA copy numberの増加は、痛風発作の再燃の増加と関連した
      • これは、上記とは相反する結果だった
        • アロプリノールなど治療による影響の可能性もあり、解釈が難しい
        • xanthine oxidaseを阻害することで、ROS産生が低下し、アロプリノールはミトコンドリアの機能を改善させる、ということが、痛風発作の回数とmtDNA copy numberの増加が関連した原因かもしれない
      • mtDNA copy numberは、痛風患者と健常人における、白血球のpopulationの違いを反映しているかもしれない
        • 炎症がある際には好中球は増加するものの、好中球のミトコンドリアは他の白血球と比較すると少ない
      • 疾患によって、ミトコンドリアの構造変化が生じている可能性もある
        • 2型糖尿病の患者では、健常人と比較して、数は同じであるものの、有意に小さく球形に変形していることが既報で報告されている
        • さらに、ミトコンドリアの内膜の構造異常が頸動脈に動脈硬化を有する患者で報告されている
        • mtDNAはこの内膜にアンカーされているため、これらの構造変化によってmtDNAが減少しているのかもしれない
        • 痛風では、この2型糖尿病のようなミトコンドリアの構造変化があるかどうかは調べられていない
    • mtDNA copy numberの低下は、ミトコンドリアの生合成、mitophagyの機能低下の結果生じている可能性もある
      • ミトコンドリアのautophagyを阻害すると、炎症が生じることが報告されている
        • PPARGC1B(ミトコンドリアの生合成に重要な蛋白をコードしている)のmissense variantが痛風と関連しており、このvariantがMSU-stimulated NLRP3活性化とIL-1β分泌を促進することが報告されている
          • PPARGC1B、PPARγ、AMPKの発現・活性の変化が、ミトコンドリアの機能不全と痛風に、systematicallyに関連している可能性がある
        • さらに、テロメアの機能不全とtelomerase reverse transcriptase (TERT)の欠損がミトコンドリアの障害と関連しているという報告が複数あり、テロメアの短縮が痛風と関連している可能性もある
          • TERT-欠損マウスでは、PPARGC1AとPPARGC1Bの発現が抑制されており、テロメアの短縮は、PPARGC1AとPPARGC1Bを介してmtDNA copy numberに影響しているのかもしれない
    • もし、ミトコントリアの減少が痛風発症と関連している場合には、 PPARγアゴニストであるピオグリタゾンが痛風の治療選択肢となるだろう
      • ピオグリタゾンは、有意に、mtDNA copy numberと、PPARGC1Aやmitochondrial transcription factor A (TFAM)などの生合成に関わる因子の発現を増加させる
      • ラットの痛風モデルでは、ピオグリタゾンによってサイトカインの発現が減少した。
      • さらに、HK-2 cell lineで、MSU結晶-induced NLRP3 inflammasome活性化とIL-1β産生を有意に減少させたという報告もある。
    • サマリー
      • mtDNA alleleのvariationと痛風の明らかな関連は認められなかった
      • しかしながら、heteroplasmyと、mtDNA copy numberの減少が、痛風と有意に関連した
      • 今後、mtDNA copy numberと痛風の因果関係を明らかにすることで、新規治療薬や診断方法が開発されるかもしれない

    2018年3月7日水曜日

    血清尿酸値と認知症の関連


    Latourte A, Soumaré A, Bardin t, et al. Ann Rheum Dis 2018;77:328–335. 

    <背景>

    • 高尿酸血症は、痛風を引き起こし、心血管系疾患・腎臓疾患のリスクにもなりうる
    • EULARガイドラインでは、痛風の治療では、血清尿酸値(SUA) < 360 μmol/L(≒ 6 mg/dl)へ下げることを推奨している[一部の患者では300μmol/L(≒ 5 mg/dl)以下を推奨]
    • しかしながら、UAは神経保護作用を有すると考えられており、SUAを下げすぎるのも懸念されている
      • UAは抗酸化作用にも重要と考えられており、SUAが低いことはParkinson's diseaseやALSなどの神経変性疾患のリスクになることも報告されている
    • 認知機能とSUAの関連はこれまで調べられてきたものの、それらの結果は一定しなかった
      • アルツハイマー病は、SUAと痛風と逆相関の関係にあった。
      • 血管性認知症など他のタイプの認知症は、そこまではっきりした関連はなかった
        • しかしながら、心血管疾患とUAの関連を考慮すると、動脈硬化を介して認知機能低下に関与するものと考えられる
        • これまで行われた試験は横断研究であり、バイアスを除去できておらず、縦断研究によるデータは少ない
    • 脳の変化は、認知症を臨床的に認める前に潜在的に進行している
      • そのため、今回の試験では、認知症・SUA・頭部MRIの所見の関連を、大規模コホートで調べた

    <方法>
    ①Study populaton
    • The Three-City Dijon Study (3C-Dijon)はフランスのpopulation-based cohort studyであり、65歳以上の人が4931人登録されている
      • baselineについては、1999/1 - 2001/3の期間に、問診・診察、採血、認知機能の評価を行なっている
        • さらに、1999/6 - 2000/9の期間に登録された80歳未満の参加者(2763人)を対象に、頭部MRIを撮影を依頼し、実際に2285人(83%)から同意を得られて撮影した
      • 12年間のフォロー期間で、2年ごとに計6回の診察をおこなった
    • 今回の試験においては、上記コホートの中で、baselineにおいて、SUAを測定されており、baselineにてMMSE > 24で臨床的に認知症がない人を対象とした
      • また、最近の報告によれば痛風が高尿酸血症と認知症の関連におけるバイアスになりうるため、痛風を有している可能性が高いと考えられる"尿酸降下薬を内服している人"(n=61)は除外した
    • これらの選別により、1598人が解析対象となった


    ②認知症の診断
    • 3段階の過程を経て認知症と診断した
      1. 精神科医が、MMSEとthe Isaacs Set Testによって、2年ごとのそれぞれの診察において認知症をスクリーニング
      2. スクリーニング陽性であれば、追加のneuropsychological testingを施行して認知機能低下の程度を調べた
      3. 最終的には、これら診察医とは異なる集団の神経科医が全患者をレビューして、DSM-Ⅳ criteriaと照らし合わせて認知症に矛盾しないか確認した

    ③MRI

    • 1.5-Tesla Magnetom scanner (Siemens, Erlangen)を使用

    ④統計
    • SUAは、閉経後も女性の方が男性より低く、性別による交絡を避けるために男性と女性でSUAの閾値を変えた
      • 高SUA群
        • SUA ≧ 5.8 mg/dl(男性)or SUA ≧ 4.9 mg/dl(女性)
      • 低SUA群
        • SUA < 4.4 mg/dl(男性)or SUA < 3.5 mg/dl(女性)

    結果
    ①baseline characteristics(table1)
    • 平均年齢:72.4才
    • 男性:38.3%
    • SUA:4.6mg/dl
      • 高尿酸血症と関連した項目
        • 高齢
        • 心血管系疾患の既往
        • 心血管系疾患のリスク因子(喫煙、肥満、高血圧、脂質異常症)
        • 低GFR
        • アスピリンもしくは利尿剤の使用
        • CRP増加
        • IL-6増加



    • 13357人年の観察期間(中央値10.1年間)にて、110人が認知症を発症
      • 粗発症率:8.2/1000人年
      • アルツハイマー病:69.1%(76人)
      • 血管性認知症 or 混合型:18.2%(20人)
        • 認知症発症と関連した項目
          • 高齢
          • APOE-ε4 carriage


      ②認知症発症とSUAの関連(primary endpoint, Table2)
      • 高SUA群のほうが、低SUA群より認知症が多かった(Model 1)
        • HR=1.90 (95% CI 1.10 to 3.29), p=0.008
      • 有意差は、以下で調整しても変わらず
        • 心血管系疾患のリスク因子の有無(Model 2)
          • HR=2.2 (1.21 to 3.98), p=0.004
        • SUAに影響する薬剤 or NSAIDsの使用の有無(Model 3)
          • HR=2.21 (1.22 to 4.00), p=0.004 
        • 炎症性マーカーの値(CRP, IL-6)(Model 4)
          • HR=2.43 (1.34 to 4.42), p=0.001 

      • 認知症のタイプ別では、血管型認知症 or 混合型 > アルツハイマー病 の順で、SUAと認知症発症の関連が強かった
        • 血管型認知症 or 混合型
          • HR=6.41 (1.20 to 34.29), p=0.022 
        • アルツハイマー病
          • HR=1.89 (0.94 to 3.83), p=0.06



      ③SUAと頭部MRIの関連

      • 年齢、性別、心血管系疾患のリスク因子・既往、薬剤(利尿剤 or NSAIDs)、炎症性マーカーで調整すると、関連なし(table3, Model 4)



      ④sensitivity analyses 

      • NSAIDsを内服していない集団で、SUAと認知症の関連を比較
        • アルツハイマー病とSUAの関連が強くなり、血管性認知症 or 混合型の認知症は有意差消失なし



      • 通常の高尿酸血症の定義を使用(SUA ≧ 360 μmol/L(≒ 6 mg/dl)[男性]、300μmol/L(≒ 5 mg/dl)[女性])
        • SUAが高いほうが認知症が多い傾向があるものの、有意差は消失



      まとめ

      • 認知症とSUAは、様々な交絡因子を多変量解析で除外しても、有意に関連した
        • 特に、血管性認知症 or 混合型認知症において、高尿酸血症と強い関連を示した
          • しかし、血管性認知症は症例数が少なかったので、解釈には注意が必要である
      • これまで、低SUAと神経変性疾患の関連については、複数報告されている
        • UAが抗酸化作用を有しており、脳をフリーラジカルから保護する、というのがその理由の仮説である
          • この仮説は、Hershfieldらによって、 SUAを下げるペグロティカーゼ(Pegloticase)を投与しても酸化ストレスマーカーが変化しなかったという結果から、否定された
        • むしろ、最近のin vitroの研究では、UAは酸化ストレスを増強し、アミロイドβを介した神経毒性作用を有するという報告もある
        • さらに、SUAをイノシンで増加させても、Parkinson's diseaseと多発性硬化症には全く臨床的に効果がなかったことも報告されている
      • Chenらは、case-control研究のメタアナリシス(n=2708)にて、アルツハイマー病と健常人において、SUAに有意差はなかったと報告している
        • 他の最近のメタアナリシスでは、低SUAとアルツハイマー病は関連があったものの、血管性認知症 or 混合型認知症とは関連がなかったと報告している
          • しかしながら、これら2つのメタアナリシスは、横断研究に基づいたものであり、時系列における変化という重要な因子に関してlimitationがあるものだった
      • the Rotterdam cohort は、これまで唯一、SUAと認知症の関連について調べた縦断的な研究であった
        • それによれば、SUAが高いと、認知症の発症率は低下するという結果だった
        • しかしながら、認知症の診断時年齢が平均で85才であり、病理学的な変化はその数年前より進行しているということを考慮すると、認知症発症に関与する因子はそれをいつの時点で測定したかということは重要であると考えられる
          • その点では、今回の研究とthe Rotterdam cohort では、SUA測定時期(72.4±4.1vs 69.4±8.4 years, respectively) と認知症発症までのフォロー期間(8.4±3.1vs 9.0±3.5 years, respectively) も異なっており、それが結果の相違に関与したものと考えられる
          • また、SUAの測定方法の違いも影響しているかもしれない
        • 興味深いことに、the Rotterdam cohortを解析対象とした他の横断研究では、SUA高値と、MRIにおける白質萎縮性変化・認知機能低下が関連していた
      • CKDの患者では、SUAとMMSEが逆相関することが既報で報告されており、高SUAと認知機能低下は、背景にある心血管系疾患を介したものであるという仮説がある
        • しかし、今回の結果では、脳における微小血管疾患の指標であるMRIにおける白質の変化と、SUAは関連しなかった
      • SUAと認知症の関連を説明する他の仮説としては、炎症の関与がある
        • 実際に、今回の結果でも、SUAが高い集団のほうが低い集団よりも、baselineのCRP, IL-6が高い傾向にあった
      • NSAIDsに関しては、酸化ストレスや炎症を調整して認知症発症に影響することが考えられている
        • 既報では、NSAIDs内服によってアルツハイマー病の発症率は低下したが、今回はむしろ増加した。血管性認知症 or 混合型認知症は有意差が消失したが、これはサンプルサイズが小さいことも勘案する必要がある。



      2018年2月11日日曜日

      自己免疫疾患における好中球の役割


      ARTHRITIS & RHEUMATOLOGY
      Vol. 68, No. 9, September 2016, pp 2071–2082 


      導入
      • 好中球は、最終分化した自然免疫細胞であり、微生物から宿主を守る役割を担っている
        • 骨髄から産生され、多臓器においてホメオスタシスを維持しながら存在する
        • 半減期が短かいので、平常状態を保つためには骨髄から継続的に産生される必要がある
        • しかしながら、ホメオスタシスの状態と非ホメオスタシスの状態での、骨髄と末梢における好中球のturn overについてはわかっていないこともある
      • 好中球の産生は、IL-17に反応して合成されるG-CSFによって、厳密に制御されている
      • 好中球の細胞質にある顆粒(granule)は、4つのカテゴリーに分かれる(figure1)
        • primary (azurophilic) granule
          • MPO
          • defensins
          • neutrophil elastase
          • membrane-bound CD63 など
        • secondary specific granule
          • lactoferrin
          • LL-37 peptide
          • membrane-bound CD66b など
        • tertiary gelatinase granule
          • gelatinase
          • cathepsin
          • lysozome
          • various toxic proteins  など
        • secretory granule
          • membrane-bound receptorsを貯蔵している
          • alkaline phosphataseやCD35を自身の膜に発現している 



      • 循環している時には、好中球は活性化されていない状態を維持しており、細胞内の毒性物質は偶発的に放出されないようになっている
        • 好中球の機能低下や減少は感染症のリスクに繋がるが、好中球を厳密に制御することも組織障害を予防するのに重要である
      • 炎症の状態下では、組織に浸潤し、活性化物質によって半減期も延長する
      • 炎症組織における好中球の役割は、サイトカインやケモカインの合成、貪食、MHC-class Ⅱ依存性の抗原提示など、多くの機能がマクロファージと重複している
        • 様々なメカニズム(貪食、脱顆粒、NETsの放出による細胞死誘導など)で微生物を攻撃する


      • 好中球は、自然免疫や獲得免疫の機能やphenotypeに関与して、炎症に対して強い影響力を有している
        • myeloid DCsは、アポトーシスした好中球を取り込むことによって、抗原提示機能が増強する
        • B cells の発生に関わるBAFFやAPRILなどのサイトカインを合成する
        • 脾臓の好中球は、T cells-independent B cell helper 機能を有する
        • MHC class Ⅰ-dependent にCD8陽性T細胞をcross-primeして、T cell response を増強もしくは抑制する
        • γ/δ T cellsを活性化する
        • PDL-1/PD-1 相互作用を介してT cell アポトーシスを誘導する
        • proteaseによって T cell-stimulating サイトカインであるIL-6, IL-2を不活性化する
        • T cell receptor ?(表示できない文字) chain をdown regulateして cell cycleを停止させ、ROS産生とarginase合成を誘導する
        • ROS産生とNK cellsのmodulationによって液性自己免疫を制御し、IFNγ産生を抑制する
      • 好中球は、分化・可塑性・phenotypeや機能の特徴は、他の免疫細胞と比較してわかっていないことも多い
        • 最終分化した状態では遺伝子操作が難しく、半減期も短いので冷凍・解凍作業の間に死滅を防ぐのが難しい
        • そのため、正確なimmune phenotypeや機能のassayには、freshな検体を抽出することが必要である
        • 重要なことはではあるが、マウスの好中球は生物学的にはヒトの好中球と異なるため、マウスモデルの有用性が限られている
        • それにもかかわらず、最近は好中球の自己免疫・炎症性疾患における生物学的な役割について注目を集めている

      好中球サブセット
      • 好中球には、phenotypeやfunctionに基づいて、いくつかのサブセットがある(table1)
        • 好中球のphenotypeの違いが、遺伝子によるものなのか、microbiomeによるものなのか、老化によるものなのか、解明する必要がある
        • 一部の専門家は、マクロファージのように、N1 (inflammatory neutrophil) と N2 (antiinflammatory neutrophil)  に分類することを提唱している
          • しかし、好中球をどちらかに誘導する因子がまだわかっていない
        • olfactomedin 4 (OLFM4) 
          • ~25%の好中球に認める、特異的な顆粒蛋白
          • OLFM4陽性の好中球の役割はわかっていない
        • CD177
          • glycoprotein I–anchored neutrophil antigen 
          • platelet endothelial cell adhesion molecule 1に結合する
          • 多くの好中球に発現しており、おそらく内皮細胞間を遊走する機能が高まると考えられている
        • CD16dim  
          • 細菌へのオプソニン化、ROS産生の機能が低下している
        • CD16bright 
          • CD16dim  と逆
        • 敗血症では、好中球におけるCD62Lの発現レベルと好中球機能低下が相関している
        • low-density granulocytes (LDGs)  
          • 自己免疫疾患との関連が指摘されている





      ROS
      • ROSは、炎症が進行する際に重要な役割を担う分子である
        • 抗菌作用、NF-κB転写因子活性のシグナル制御、NET産生など
        • ROSには以下が含まれる
          • superoxide anion
          • hydrogen peroxide
          • hydroxyl radical
          • hypochlorous acid 
      • ROSを主に産生するのは、ミトコンドリアとNADPH oxidase(NOX)である
        • NOXには、7種類のhomologが存在する
          • NOXs 1–5 
          • NOX/dual oxidases 1, 2 
            • 好中球では、NOX-2 が抗菌とNETosisに重要と考えられている
      • NOXによるROS産生が欠損すると、細菌や真菌に対する防御力が低下し、慢性肉芽種性疾患、免疫不全を発症する
        • そして、炎症が増強し、自己免疫疾患を発症する前段階へと繋がる
        • これは、ROSは炎症や組織障害を誘導する一方で、炎症を制御して自己免疫に対して抑制的に作用していることを示している
          • 実際に、ROS産生が低下し重症慢性炎症が持続している動物モデルでは、関節炎や多発性硬化症を発症する
          • また、NOX-2を欠損したlupus-prone マウスでは自己免疫が増悪し、NOX活性を低下させるとSLE発症を促進する


      phagosytosis
      • 自然免疫反応では重要であり、侵入してきた微生物に対して好中球とマクロファージが攻撃する
      • phagocytosisは、pattern- recognition receptors(Fcγ受容体やC-type lectinsなど)が、pathogen-associated molecular patterns(PAMPs)として知られる微生物のlipopolysaccharideや真菌のβ-glucansを認識しておこなわれる
      • 好中球のphagocytosisは、迅速であり、phagocytic vacuole とgranuleが融合してphagolysosomeを形成する
        • これらのgranuleは、NOX subunitsとhydrolytic enzymes を含んでいる
        • IgGによってオプソニン化されたparticleを20秒以内に貪食する
          • マクロファージの場合はもっと遅い
        • マクロファージと異なり、phagosomeの成熟は、細胞質のカルシウムに依存している

      NETosis
      • NET形成は、好中球が微生物を捉え、動けなくし、殺すメカニズムである
        • この過程の中で、活性化した好中球は、granular enzymeを含む自身の核の成分を放出し、細胞外に蜘蛛の巣のような構造を形成する(上のfigure2)
        • NETsを誘導するのは、微生物による刺激のみではなく、無菌である血小板、免疫複合体、サイトカイン、コレステロール、尿酸結晶、自己抗体などもNETsを誘導する
      • NETosisには、NOXなどによるROS産生が必要である
        • 最近の研究結果では、NOXの機能が欠損していても、ミトコンドリアによるROS産生があればNETsを誘導できることがわかった
        • ROS合成によってpeptidylarginine deiminase 4 (PAD4) の活性化が生じ、ヒストンのアルギニン残基をシトルリン化し、核のヒストンの脱凝縮(decondensation)と遺伝子転写を促進する
      • NETosisの間には、好中球のelastaseは、核へ局在化し、ヒストン修飾とクロマチンを展開し、核を大きくする
      • NETの晩期には、好中球の核膜の崩壊は、核と細胞質の構造物が混ざり、細胞膜の分裂と溶解を介してNETの放出が生じる
      • NETosisによる自己抗原の放出が、宿主の免疫活性化を起こす
        • 悪性腫瘍、線維化、血栓、動脈硬化、創傷治癒など多くの疾患でNETが関係していることが報告されている


      <好中球の全身性自己免疫疾患への関与>


      SLE
      • lupusと好中球の関係は、だいぶ前から示唆されていたが、臓器障害の誘導や免疫破綻における好中球の関与が注目されてきたのはここ10年の出来事である
      • SLE患者の骨髄では、好中球がtype 1 IFN の主な産生源であるあり、好中球が BAFF産生を介してB cellの異常を誘導していると言われている
        • 好中球のphenotype・functionの異常(好中球減少、貪食能の異常、oxidative activity)がその考えを支持している
      • SLEは、末梢血から分離されるLDGsの存在が特徴的である
        • LDGsをnormal density granulocytesから区別する細胞表面 or epigenetic マーカーが存在しないが、いくつかのトランスクリプトームと機能の違いがLDGsの病態への関与を示唆している
        • LDGsは、SLE患者において末梢血や皮膚病変で多く認められる
          • これを時系列を追って解析し、outcomeに影響するか調べる必要がある
        • 顆粒蛋白をコードするmRNAsの発現増加が、LDGsにおいて認められている
      • 機能的には、LDGsは、炎症性サイトカインやtype 1 IFN の合成能力が高く、SLEへの病態に関与していると考えられている
        • Ex vivo解析では、LDGsは、他の刺激がなくともNET形成を促進することが示されている
        • NETosisの促進・MMP-9の細胞外への放出を介して、LDGsは内皮細胞のアポトーシスを誘導し、血管機能を破綻させる
        • NETsは、P2X7受容体依存性にマクロファージにおけるNLRP3 inflammasome を活性化し、活性化IL-1βとIL-18合成を促進する
        • NETsの外側にあるCathelicidin LL-37 は、獲得免疫の反応を誘導し、LL-37/anti-LL-37 immune complexはplasmacytoid DCsがIFNαを合成するのを活性化する
        • NETosisの促進は、循環しているLDGsのみではなく、皮膚や腎臓などSLEの様々な罹患臓器で認められる
      • 最近の報告によれば、SLEのLDGsにおけるNETosisは、ミトコンドリアのROSに依存していた
        • 実際に、LDGsにおいて、ミトコンドリアでのROS産生は増加しており、ミトコンドリアのROSを除去するとNETosisが阻害される
        • ミトコンドリアのROSによって誘導されたNETsは、他の物質により誘導されたNETsよりも、monocyteを標的にしたtype 1 IFN や炎症性サイトカインの産生が強い
          • それはおそらく、LDG NETsにおける核酸の酸化が強いためである
          • genetic or ミトコンドリアのDNAは、酸化されると、崩壊が抑制され、stimulator of IFN genes (STING)などの細胞内センサーに認識されやすくなり、type 1 IFN産生反応が増強する
        • lupus-prone マウスで、ミトコンドリアのROSを阻害すると、lupusの症状は改善し、type 1 IFNは低下する
        • また、他の NETosisを抑制する方法としては、PAD4活性がNET形成に関与しているため、PAD4を阻害することがマウスモデルで試されており、実際に臓器障害が軽減されている
      • SLE患者の結成では、NETsを分解する能力が低下している
        • これには、以下の機序が考えられている
          • DNase Ⅰ活性が低下している 
          • DNase Ⅰ阻害物質の存在  
          • NETsが分解されることに対して保護的に作用する自己抗体の存在
        • NETの分解が阻害されると、疾患活動性の増加・補体活性化・ds-DNA抗体増加・腎炎の増加が認められることが報告されている

      RA

      • シトルリン化自己抗原に反応することが、RAの病態と考えられている
      • 好中球は、RAの関節破壊における主要なeffector cellsと考えられている
        • しかし、自己抗原の発生と、局所・全身における自然免疫・獲得免疫の反応を活性化する際に、好中球がどのような役割を担っているかはわかっていない
      • 最近、NETosisがシトルリン化自己抗原の主な産生源であり、疾患発症に関わっていることがわかってきた
        • 血液・滑膜などの組織において、好中球におけるNETosisが亢進している
      • PAD活性化を介して、NETosisは、細胞内抗原(ヒストン、ビメンチン、エノラーゼ)のシトルリン化のみではなく、細胞外自己抗原をシトルリン化できる活性化PAD isoformを放出している
      • RAにおけるmicroenvironment(シトルリン化抗原に対する自己抗体、RF、TNFやIL-17などの炎症性サイトカイン)は、NETosisを促進し、自己抗体産生→炎症反応増加→さらなるNET形成へと繋がるサイクルを形成する
        • NETsは、RAの滑膜線維芽細胞における、炎症反応を惹起する強い因子であり、関節破壊へ繋がっていく
      • NETosisにて産生されたシトルリン化ヒストンは、RAとFelty's syndromeにおける重要な自己抗原である
        • Protein tyrosine phosphatase N22 (PTPN22) は、PAD4を阻害するため、蛋白のシトルリン化も阻害する
          • このことから、PTPN22の多型がRA発症リスクとなる機序として、蛋白のシトルリン化促進を介してNETosisを起こすということが推測される
        • 補体とパーフォリンが活性化する際に、好中球のPAD活性化が起きることが、RAにおける自己抗原産生において重要であると考えられる
        • 一方で、好中球由来のmicrovesiclesが、軟骨に入り、関節の破壊を防ぐことも報告されている


      APS

      • 血栓と妊娠への影響は、APSの特徴である
      • 抗リン脂質抗体によって好中球が活性化することが知られている
      • APS患者の好中球において、ミトコンドリアの機能が低下していることが報告されている
      • 組織因子/Ⅶa因子/protease-activated receptor 2  のカスケードは、好中球の活性化を促進し、胎児死亡の原因となることがAPSモデルで示されている
      • 補体と好中球の相互作用も、胎児死亡の原因となることがAPSモデルで示されている
      • LDG populationが、APS患者において認められたことが報告されている
      • APS関連自己抗体は、ROS- & TLR4-dependentな機序で、NETosisを促進する
      • NETの分解が低下していることがAPS患者において報告されている


      AAV

      • 好中球の特異的な顆粒蛋白に対するANCAの発見と、これらが臨床的にもAAV関与していることがわかり、小血管炎の病態において好中球が重要な役割を担っていることがわかってきた
      • in vitroでは、炎症物質によってprimeされた好中球が、p38 MAPK pathwayの活性化と、細胞膜表面へのMPO/PR3の発現増加を起こし、ANCAがそこに直接結合する
        • Fc受容体への刺激 or 抗原との交差反応によって、ANCAが好中球表面に結合できるようになる
        • この結合によって、好中球が活性化され、炎症性サイトカインの合成、NET放出、脱顆粒、そして臓器障害へと繋がる
      • NETosisがAAVの病態に関与していることが最近わかってきた
        • 腎臓の血管病変やAAV患者の血栓にはNETを認める
        • NETsは、ANCA形成のために必要な免疫原性として作用する自己抗原の、主な産生源と考えられている
          • AAV患者では、NETosisの亢進とNET clearanceの低下が報告されており、NETの中にはPR3やMPOが含まれている
        • ANCAは、NETosisを誘導し、DCsがNETを抗原として認識してANCA産生がさらに促進されることがマウスの血管炎モデルで示されている
        • 補体のalternative pathwayが、AAVにて活性化している
        • 薬剤誘発性血管炎のモデルマウスでは、プロピオチオウラシルによって誘導されたNETsは、異常な構造を有しておりclearanceも低下し、MPO-ANCA形成とpauci-immune glomerulonephritisと関連している
      • AAV患者の一部はANCA陰性であり、再発のマーカーとしても疑問を持たれており、発症していない一部の健常人にも陽性となることがある
        • AAV患者のANCAと、健常人におけるMPOに対する自己抗体は、epitope specificityが異なり、これが疾患活動性とも関連している
      • 最近では、好中球顆粒蛋白のmRNA発現と、LDG populationがAAV患者に認められており、通常治療に対する反応性を予測できることが報告されている
      • PR3を膜表面に発現している活性化していない好中球のサブセットや、MPO/PR3のプロモーター領域の遺伝子修飾が、AAVのバイオマーカーになりうるかもしれない


      <自己炎症性疾患における好中球>
      • 好中球の機能に関連する単一遺伝子の疾患の発見は、我々の自己免疫への理解を促進した
      • ヒトとマウスモデルでは、好中球・遺伝子・molecular pathwayの違いがあるので、ヒトの単一遺伝子疾患を研究することで、好中球の新しいbiologyを発見できるかもしれない

      単一遺伝子自己炎症性疾患
      • 自己抗体や抗原特異的T細胞が陰性で、突発的な発熱、炎症反応を示すのが特徴である
        • 獲得免疫というより、自然免疫の異常による疾患であることを示唆している
      • 他の骨髄系細胞のように、好中球は、pattern- recognition receptors に多様なレパートリーを有しており、それによって自然免疫を活性化できる
        • in vitroで好中球を用いた実験を行う必要があるが、ヒト好中球におけるpattern- recognition receptors の理解が不足しており、多様な自己炎症性疾患における機能の研究は主にmonocyte/macrophage cell linesで行われてきた
      • 活性化した好中球のneutrophil phenotypeは、familial Mediterranean fever(FMF)の発作間欠期でも認める
        • FMFでは、NETsは、IL-1βによる炎症を制御している
      • inflammasome関連分子であるNLRP3, NLRC4, NLRP12のpoint mutationの存在は、自己炎症性疾患に対するIL-1阻害治療が有効であることを示している
        • 自己炎症性疾患におけるIL-1β産生源はmonocyteであるが, 好中球も病態に関与している
          • Neutrophilic urticarial dermatosis(NUD)は、neonatal-onset multisystem inflammatory disease (NOMID)における組織学的な特徴である
          • Chronic atypical neutrophilic dermatosis with lipodystrophy and elevated temperature (CANDLE) syndrome は、immunoproteasomeの機能異常による疾患であるが、未熟な好中球が皮膚に浸潤しているこが特徴である
          • しかしながら、これらの疾患における好中球の機能については、わかっていない

      痛風
      • 痛風の病態では、自然免疫が重要である
      • ヒトにおけるプリン代謝産物の最終産物である尿酸が、ナトリウムが豊富な液体において針状のmonosodium urate monohydrate (MSU) 結晶へ結晶化することによって発症する
      • 以下の機序によって、NLRP3 inflammasomeの活性化を介して、MSU結晶は関節や組織において炎症を誘導する
        • MSU結晶をmonocyteが貪食し、endosomeが細胞内でacidic lysosomeと融合する
        • phagolysosome内のpHが低下することで大量のナトリウムを放出し、細胞内の浸透圧が急激に増加し、アクアポリンを介した自由水の流入が生じ、細胞内のカリウム濃度が低下する
        • 細胞内のカリウム濃度低下がNLRP3 inflammasome活性化を起こし、pro IL-1βを活性化IL-1βへ変化させる
        • MSU結晶によるinflammasome活性化とサイトカイン放出は、好中球を引き寄せる
      • 急性の痛風発作は、結晶は発作間欠期にも残存するが、self-limitingである
        • 他の軟部組織を病変とする炎症性疾患の発症と異なり、数日間で症状が消退する
        • これは、MSU結晶誘発性の炎症を抑制する機序があることが示唆される
          • IL-10, TGFβ, proinflammatory macrophage → antiinflammatory macrophageへのスイッチが、機序として考えられる
      • 最近の報告では、痛風における炎症・抗炎症の異なる機序も提唱されている(figure3)
        • MSU結晶が存在する炎症部位に好中球が引き寄せられ、NETsを形成する
        • 好中球の数が少ない間は、炎症性サイトカイン(IL-6, TNF), 好中球誘導物質(CXCL8), 好中球活性化因子(CCL3, CXCL10)などの炎症メディエーターが放出され、それによってさらに好中球が増加する
        • NETsも最初は単一であったのが、NETsの集合体(aggregated NETs)が形成されてくる
        • NETsの集合体によって、MSU結晶はDNAや顆粒蛋白に捕捉され、セリンプロテアーゼ(好中球エラスターゼ、PR3など)によって炎症性メディエーターが不活化される




      好中球を標的にした治療

      • ステロイドは、好中球のアポトーシスを抑制し、好中球による炎症を増強させることが報告されている
        • 機序として報告されているのは、antiapoptotic Bcl-2 family membersの発現増加、NF-κB活性化、アポトーシスの経路に関わる物質の抑制、アポトートシス蛋白の阻害など
      • コルヒチンは、抗炎症作用があるが、特に好中球に作用する
        • 機序としては、好中球などの免疫細胞における微小管の重合を阻害することで、phagocytosisの抑制やpathogensのlysosomeへの移送が抑制されることが考えられている
      • ダプソンは、白血球の走化・細胞障害機能を抑制する
        • 好中球の接着機能を阻害することで、血管外への遊走を抑制する
      • シクロホスファミドによる好中球減少はよく知られた有害事象であるが、実のところ、どのようにして顆粒球の機能へ影響し、好中球へどれほど影響するかはわかっていない
      • NET形成・clearanceを標的にした薬剤は、NETosisが病態に関連している疾患には有効だろう
        • ヒドロキシクロロキン、シクロスポリンAは、生理的濃度において、PAD enzyme の阻害 or ROS産生源への作用で、NETosisを阻害し、lupus動物モデルにおいて有効であることが示されている

      2018年1月26日金曜日

      痛風発作予防には、尿酸降下薬を漸増法で開始するほうがいい


      Yamanaka H, et al. Ann Rheum Dis 2018;77:270–276.  

      背景

      • 痛風患者は増加しており、発作はQOLを低下させる
      • また、痛風と高尿酸血症は代謝性疾患、腎不全、そしておそらく心血管疾患とも関連している
      • 尿酸降下薬(ULT)を開始した数ヶ月以内に発作が起きることはよくある
        • 初期の尿酸値、痛風結節の存在、ULTの用量がリスクとなる
      • コルヒチンの併用が有用である
        • 最近のEULAR/ACRの推奨では、最初の少なくとも6ヶ月はコルヒチンを併用するように推奨している
        • 予防としても治療としても頻用されるが、毒性にも注意が必要である
      • 以前、日本の臨床試験で、フェブキソスタットの使用方法を漸増法にする方が、用量固定で開始するよりも、痛風発作の再燃が少なかった
      • すなわち、治療開始に伴う痛風発作の再燃を予防する方法として、コルヒチンの併用・ULTを漸増法で使用することが有用だと考えられる
        • しかしながら、これに関しては前向き試験が今までおこなわれていない
      • 今回の試験では、上記を調べることとした

      方法
      • 対象
        • 1年以内に1回以上の痛風関節炎を起こした男性
          • 2週間以内に発症した場合は除外
        • UA ≧ 7.0mg/dl
        • 1ヶ月以内に尿酸を下げる治療を受けていない
      • 痛風の診断は1977年の基準を使用
      • Cr ≧ 2.0mg/dL は除外

      • 前向き、多施設、ランダム化、open-label
      • 以下に割付(C群が発作多いと仮定されたため、倫理的観点から割合は 2 : 2 : 1)
        • A:フェブキソスタット漸増群
          • 10 mg/day (4 weeks) → 20 mg/day (4 weeks) → 40 mg/ day
        • B:フェブキソスタット 40mg/day 固定 + コルヒチン 0.5mg/day 併用群
        • C:フェブキソスタット 40mg/day 固定群
      • primary endpoint
        • 最初の12週間における痛風関節炎の頻度
          • 痛風関節炎の定義:NSAIDsが必要な発作

      結果
      • 2013/8 - 2015/2 で実施
      • figure1に示す通り、283人から承諾を得て、255人が割り付けられた
        • 241人が解析対象


      • baseline characteristics (table1)
        • いずれも同等
        • 2回以上の痛風発作を経験している人が大半
        • 尿酸値 約8.5mg/dl 





      • 治療開始12週間以内の、発作の発症率(figure2)
        • group A:20.8%
        • group B:18.9% 
        • group C:36.0%
      • 以前にULTを受けたことがある人と、未治療だった人で、発作の発症率に違いはなかった





      • 発作の回数(figure3 A:最初の12週間、B:次の12週間)
        • 発作の回数は群間で有意差なし



      • 尿酸値 ≦ 6.0 mg/dl を達成した割合
        • いずれの群も12週間時点では有意差なし、8割近くで達成できた



      • 安全性
        • 重症有害事象なし
        • 群間で有意差なし



      まとめ
      • 漸増法もしくはコルヒチン併用によって、治療開始後の痛風発作を減らすことができた
        • 漸増法とコルヒチン併用の間には有意差なかったが、サンプルサイズが不足しているのでこれらの比較は今回の試験ではできない
        • コルヒチンの潜在的な毒性を考慮すると、有効性が同等であるならば、漸増法のほうが望ましいだろう
      • limitation
        • open-label
        • 通ふ発作の定義
          • NSAIDsが必要なもの、という定義は世界的に共通ではない
        • USAやヨーロッパでは、尿酸 ≦ 6.0mg/day を達成するのに通常使用するフェブキソスタットの用量は80mg/dayなので、今回の試験の結果を日本以外でそのまま当てはめることはできないかもしれない

      2017年12月4日月曜日

      軟骨石灰化とOAの関係 & 結晶性関節炎に対する関節超音波のレビュー


      ①European League Against Rheumatism recommendations for calcium pyrophosphate deposition. Part I: terminology and diagnosis
      W Zhang,1 M Doherty,1 T Bardin,2 V Barskova,3 P-A Guerne,4 T L Jansen,5 B F Leeb,6 F Perez-Ruiz,7 J Pimentao,8 L Punzi,9 P Richette,2 F Sivera,10 T Uhlig,11 I Watt,12
      E Pascual13 




      • 関節部位、年齢、性別による軟骨石灰化(chondrocalcinosis)の違い



      EULAR2011による言葉の定義
      • CPP crystals
        • calcium pyrophosphate dihydrate crystalsのこと
      • CPPD
        • CPP crystalによってもたらされる全ての状況の総称
      • CC(cartilage calcification)
        • 画像もしくは組織学的に軟骨石灰化のこと。CPPDとは限らず、正常組織にも起きうる。

      Risf factors
      • 関節外傷の既往
      • 遺伝的・家族性にCPPDの傾向あり
      • 特異的な疾患
        • ヘモクロマトーシス
        • 副甲状腺機能亢進症
        • 低フォスファターゼ症
        • 低Mg血症 など
      EULAR recommendations
      1. CCは、OAとは独立もしくはOAによる構造変化とともに認める
        • CPPDを伴うOAは、そうでないOAと比較して、osteophytosisの程度が強く、罹患関節も異なり、炎症所見が強い
        • 稀だが、腱炎、腱鞘滑膜炎、滑液包炎、体軸関節に関連した症状を起こすこともある
      2. 単施設研究では、急性のCPP結晶関節炎は、典型的には3−4日以内に改善した
        • 関節痛、こわばり、腫脹、圧痛、±紅斑を認める
      3. 65歳以上の膝、手、肩関節の関節炎は急性CPP関節炎を示唆する。画像による石灰化は診断の可能性を高めるが、確実な診断には結晶を証明することが必要である
        • 上記のグラフのように、50歳以下では稀であり、45歳以下(特に多関節病変)で診断される場合には家族性 or 背景の代謝性疾患を考慮する
        • 痛風も年齢とともにリスクが増加するが、多くの初発は足である(特に第1MTP関節)
      4. OA患者ではCPPDが多い
        • 非典型的な部位のOAと関連する
      5. 慢性CPP結晶性関節炎は、mono/oligo関節炎(89%)、多関節炎(11%)と報告がある
        • 診断はCPP結晶の証明


      • CPPDに関する検査の特性について



      • CPPDリスク因子





      • 今後の課題
        • CPPDの有無によって、OAに違いがあるか(症状、罹患関節、予後)
        • 結晶の有無をgold standardとした質の高い臨床研究
        • CPP結晶の検査に関するプロトコル作成
        • ルーチン検査とできるように、それぞれの画像検査のvalidation
        • 関連する代謝性疾患によるCPPDへの影響



      OA患者において、軟骨石灰化がどのように関連するかを調べた研究が以下の②
      ②Arthritis Care & Research
      Vol. 69, No. 11, November 2017, pp 1651–1658 

      Association of Chondrocalcinosis in Knee Joints
      With Pain and Synovitis: Data From the
      Osteoarthritis Initiative
      BOBBY KWANGHOON HAN,1 WOOJIN KIM,2 JINGBO NIU,3 SHRISTI BASNYAT,4 VENIAMIN BARSHAY,4 JOHN P. GAUGHAN,4 CHARLENE WILLIAMS,4 SHARON L. KOLASINSKI,2 AND DAVID T. FELSON3



      背景

      • calcium pyrophosphate dihydrate (CPPD) crystalsやbasic calcium phosphate (BCP)などのカルシウム含有結晶が、関節のヒアリン軟骨や線維軟骨(→hyaline cartilage, fibrocartilage, elastic cartilageの違いはhttp://www.differencebetween.net/science/health/difference-between-hyaline-cartilage-and-elastic-cartilage/を参照)に沈着し、画像的に線状の石灰化として認める(=chondrocalcinosis:軟骨石灰化)ことはよくあることである
      • chondrocalsinosisは変形性関節症(OA)と関連があり、OA重症度と関節液CPPD結晶の有無が関係しているという報告もある
        • しかしながら、他の報告では、関節裂隙とchondrocalsinosisの関連はなかったという報告や、前向き試験ではMRI上のOA進行や軟骨消失と関連がなかったという報告もある
      • CPPD結晶は、炎症反応と滑膜炎を惹起し、急性or慢性炎症性関節炎の原因となる
        • CPPDは、in vitroのヒトの軟骨や滑膜細胞において、nitric oxide, MMP-13, PGE2などの炎症性・異化メディエーターを産生する
        • BCP結晶は、in vitroのマクロファージにおいて、NLRP3 inflammasome→IL-1βを分泌させる。マウスの関節に注射することで滑膜炎や軟骨細胞変性を誘導した。
        • しかしながら、chondrocalsinosisに含まれるカルシウム含有結晶が、実際に滑膜炎やOA発症に関わるかは不明である
      • MRIで測定される滑膜の体積が、膝の痛みの重症度と関連して変化することや、軟骨消失とOA発症を予測することが既報で報告されている
      • 今回の試験では、chondrocalsinosisが膝関節痛 or MRIでの滑膜炎に関連するか、the Osteoarthritis Initiative (OAI)のデータから調べた

      方法
      • the Osteoarthritis Initiative (OAI)
        • 4796人のOA患者を対象とした、前向き多施設レジストリーである
      • 2004-2010年の症例を調べた
        • 60歳以上
          • それ以上若いと石灰化が稀なため
        • baselineにてKellgren-Lawrence (K/L)grade 0, 1, 2のいずれか
          • それ以上進行していると、他の要因による関節痛や関節炎が交絡する可能性が高いから



      ※K/L classification

      Classification

      • grade 0: no radiographic features of OA are present
      • grade 1: doubtful joint space narrowing (JSN) and possible osteophytic lipping
      • grade 2: definite osteophytes and possible JSN on anteroposterior weight-bearing radiograph
      • grade 3: multiple osteophytes, definite JSN, sclerosis, possible bony deformity
      • grade 4: large osteophytes, marked JSN, severe sclerosis and definite bony deformity
      (Clin Orthop Relat Res (2016) 474:1886–1893. より引用) 

      • まず、baselineとその後4年間における膝関節痛とchondrocalcinosisの関連を調べた
      • その次に、MRIでの滑膜炎とchondrocalcinosisの関連を調べた

      結果
      • baseline characteristics

      • 膝関節痛とchondrocalcinosisの関連について
        • baselineでは、いずれの質問においても、chondrocalcinosisがある場合の方が、膝関節痛が有意に強かった
          • 年齢、性別、BMI、K/L classificationで調整後

        • 4年後時点では、chondrocalcinosisがあるほうが有意に膝関節痛が強かったのは、"any knee pain, past 30 days"のみ



      • VASで評価した膝関節痛重症度に関して
        • baselineでは、chondrocalcinosisがあるほうが有意にVASが高かった
        • baselineから4年後までの膝関節痛の変化は、chondrocalcinosisに関連しなかった



      • 間欠的な痛みはchondrocalcinosisがあるほうが有意に強かった



      • MRIでの滑膜炎に関して
        • chondrocalcinosisの有無は関係なし



      まとめ
      • (交絡因子となりうる年齢、性別、BMI、K/L classificationで調整後も)膝関節痛はchondrocalcinosisがある場合の方が有意に強かったが、MRIでの滑膜炎とは関連しなかった
        • 当初の仮説としては、CPPDとBCP crystalが関節炎と関連があるのは、滑膜炎のためと考えていたが、今回の結果はそうでなかった
      • OA患者の膝関節置換術の滑膜検体からは、組織学的な滑膜炎と血管新生にchondrocalcinosisは関連しなかったと報告されている
        • その理由として、カルシウム含有結晶は軟骨内にあることが考えられている
        • CPPD結晶は、急速なカルシウム血中濃度低下など限られた状況のみで出現し、それが間欠的であるため滑膜炎も間欠的となり、滑膜体積には反映されないことも理由としてありうる
      • さらに、カルシウム含有結晶の形成は、細胞外マトリックスの変化に制御されている
        • 筆者らは、軟骨のカルシウム結晶沈着は、(滑膜炎の誘引というよりも) 膝関節のOAによる細胞外マトリックスのdegenerative changeと関節痛のマーカーになるのではないかと推測している
        • 軟骨細胞過形成のマーカーであるtype Xコラーゲンの発現レベルと軟骨の石灰化が相関しているという組織学的研究からの報告もある
        • さらに、type 2コラーゲンは、ATPが石灰化を促進するのを抑制するが、type2とtype1コラーゲンが共に存在するとATPが石灰化を促進するのを増強するのがvitroで示されている
          • プロテオグリカンはtype or type2コラーゲンに加えるとカルシウム含有結晶の形成を抑制する


      結晶性関節炎におけるエコーに関するレビューが以下の③
      ③Emerg Radiol (2016) 23:623–632
      Musculoskeletal ultrasonography in the diagnosis of acute crystalline synovitis
      Matt Rheinboldt1,2 & Courtney Scher2,3 


      • ヒアリン軟骨は低エコーだが(figure1)、線維軟骨は高エコー(figure2)




      • 関節液貯留(figure3)
        • 非特異的



      • 滑膜増殖(figure4)
        • 非特異的
        • 結晶関節炎でも滑膜内の血流増加は認めうる



      • erosion (figure5)
        • 非特異的(痛風でもRAでも認める)



      • double-contour sign(figure6:痛風)と軟骨内石灰化(figure7:偽痛風)
        • 特異的所見
        • double-contour signは、無症状の高尿酸血症でも認めることがあり、治療によって消失するため疾患活動性のマーカーと考えられている




      • Aggregates(figure8)
        • 尿酸結晶、カルシウムピロリン酸結晶ともに、関節液内にて"snowstorm"のように見える
        • 滑膜組織、関節外の腱、軟部組織にも結晶形成が起こりうり、その場合にはその部位にechogenicな所見を認める


        •  手関節における三角線維軟骨のカルシウムピロリン酸結晶のAggregates(figure9)



      • 痛風結節(figure10)
        • 形成初期は低エコー、均質な所見
        • 時間が経過すると内部が石灰化し、acoustic shadowingを認める
        • 肉芽種とfibrovascular組織により、周囲は低エコーとなりハローサインを呈する




        • 腱に形成した痛風結節は、軽度の腱の腫脹を認め、fibriallary構造が消失し、acoustic shadowingを認める(figure11)
        • 頻度が多いのは膝蓋腱と上腕三頭筋腱であり、その次にアキレス腱と大腿四頭筋腱
        • CPP結晶は、肉芽種形成や滑膜・軟部組織の結節形成は稀である



      • (肘などの)滑液包にも、痛風結節も認めうる(figure12)



      • 関節液貯留していると、ヒアリン軟骨のechogenecityにより軟骨表面が高エコーとなることがあり、これをdouble-contour signと間違えることがあるので、より多くのアングルで観察することをOMERACT definitionでも推奨している




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