<abstract>
・目的
RAの臨床的寛解の評価における関節エコーの役割を明らかにする
・方法
多施設(イタリアの25施設)、前向き試験、RAで臨床的寛解を達成した症例をinclusion. エコーではwrists, MCPs, PIPs, 手・手指のsynovial tendonsを0, 6, 12ヶ月時点で評価。 the STARTER studyと命名。
・結果
361症例をenroll(mean age; 56.2 y/o、female; 72%, mean disease duration; 9.75 y )。12ヶ月時点で、全体で30.1%がflareした。PD positive tenosynovitis と joint synovitis が伴っていることがflareの予測因子だった(crude OR 2.75, 95% CI 1.45 - 5.20))(adjusted OR 2.09 , 95% CI 1.06 - 4.13 ))。エコーの結果は、身体的機能低下や画像的構造破壊の進行には関連しなかった。なお、12ヶ月時点でのflareは予測できたが、6ヶ月時点でのflareの予測はできなかった。
・結論
tendonとjointのPD陽性は、clinical remissionを達成したRA患者における、独立したflareのリスク因子だった。
<背景>
- clinical remissionを達成したRA患者におけるエコーの役割がわかっていないため、それを明らかにする
<方法>
- the STARTER study
- 25のリウマチ施設が参加
- clinical remissionをRA症例をinclusion
- 今回のremissionの定義は、DAS28 < 3.2 とした(おそらく2.6とするとサンプルサイズの問題が出てくるため)
- DAS < 2.6の症例だけを対象とした二次解析も行った
<結果>
- characteristics(table1)
- 361症例
- mean age; 56.2 y/o
- female; 72%,
- mean disease duration; 9.75 y
- フォロー中に、30%(98/326人)がflare
- 最初の6ヶ月間:56/98人
- 後半の6ヶ月間:40/98人
- (残りの2人は12ヶ月でflareしていたが6ヶ月時点でのDAS28の値が不明)
- それぞれのエコー所見におけるflareに対するOR(figure1)
- GS tenosynovitis + synovitis, PD tenosynovitis + synovitis がいずれも有意にflareの予測因子だった
- DAS < 2.6の182症例に限ると、75例がflareした(figure1)
- crudeでは GS tenosynovitis + synovitis, PD tenosynovitis + synovitis がいずれも有意にflareの予測因子だったが、adjusted(年齢・性別・罹病期間・筋骨格系並存疾患・seropositivity・remissionを維持した期間・治療内容)では統計学的有意差は消失
- 6ヶ月時点 US →12ヶ月時点 flareに関しては、GS tenosynovitis + synovitis、PD synovitis が統計学的有意な予測因子だった
- functionの低下(HAQで評価)、radiographic progression(erosion score, JSN score)は、エコーの結果で予測できなかった
<考察>
- 今回の研究は、US-detected tenosynovitis の clinical remissionに対する影響を調べた数少ない報告である
- USがHAQ増悪やradiographic progressionの予測因子とならなかったのはサンプルサイズの問題だろう
- baseline US →6ヶ月時点 flareは有意でなく、6ヶ月時点 US →12ヶ月時点 flareは有意だったことから、たとえbaselineにおいてUS inflammationがなくとも再度おこなう意義はありそう
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