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2018年9月8日土曜日

RAに対するTCZ vs TNFαi

Lauper K, et al. Ann Rheum Dis 2018;77:1276–1282. doi:10.1136/annrheumdis-2017-212845

<abstract>
・目的

1つ以上のbDMARDに対して治療反応性が不良であったRA患者に対する、TCZとTNFαiのRAに対する有効性を評価する

・方法
1つ以上のbDMARDに対して治療反応性が不良であったRA患者をヨーロッパの10種類のレジストリからincludeした。薬剤の継続期間、ΔCDAIを評価した。治療開始1年後のCDAI remissionと低疾患活動性(LDA)の割合をLUNDEX correctionを用いて評価した。


・結果
TCZ mono 771人、TCZ combo 1773人、TNFαi mono 1404人、
TNFαi combo 4660人を解析した、粗薬剤継続率は TCZmono(2.31 years, 95% CI 2.07 to 2.61),  TCZ combo (1.98 years, 95%CI 1.83 to 2.11) が TNFi combo (1.37 years, 95%CI 1.30 to 1.45), TNFi mono (1.31 years, 95%CI 1.18 to 1.47).より高かった。国と治療開始時期で補正すると、治療中断のリスクは高い順に、TNFαi mono > TNFαi combo > TCZ mono ≒ TCZ combo  だった。ajusted ΔCDAIはどの群も同等だった。CDAI remissin と LDAの割合も同等だった。

・結論
治療継続率が高く効果が同等である観点からは、
1つ以上のbDMARDに対して治療反応性が不良であったRA患者に対しては、TCZ mono/combo が  TNFαiよりも適切かもしれない


<背景>

  • 多くのinternational guidelineでは、bDMARDsはMTX or other csDMARDと併用して用いることを推奨している
    • しかしながら、様々なレジストリのデータからは、30%程度の患者は患者の好みやcsDMARDが合わないために、monotherapyで使用している
  • ADACTA trialではTCZ monoのほうがADA monoよりも優れた結果となったが、そもそもTNFiはMTX併用のほうがいいというデータが明らかである
    • TCZも、国内のSURPRISE studyではMTX-IRに対してmonoよりもMTXにadd onのほうが有効性が高いことが示されているが、国や母集団やendpointが異なる他の試験では様々な結果も出ている
  • そこで、今回の試験は、TCZ mono、TCZ combo、TNFαi mono、TNFαi comboをまとめて比較することでどれが優れているか調べることとした

<方法>
  • The TOCERRA collaboration of registries (TOcilizumab Collaboration of European Registries in RA) を使用
    • TCZの有効性を調べる医師主導、企業協力型プロジェクト


<結果>
  • characteristics(table1)
    • TCZ mono 771人
    • TCZ combo 1773人
    • TNFαi mono 1404人
    • TNFαi combo 4660人
    • TCZ群のほうがやや年齢高く、罹病期間も長め、bio使用歴も多め、HAQも高め


  • 治療継続率はTCZ群のほうが高い(figure1) 



  • 年齢、性別、罹病期間、seropositivity, bio使用歴、baselineのステロイド・疾患活動性・HAQで補正後も、TCZ群で中断リスクは低い



  • ΔCDAIは同等




  • LUNDEX indexによる治療反応性の評価も同等






<考察>
  • TCZ群のほうが、年齢が高く、罹病期間も長く、HAQも高く、bio使用歴も多く、これらはbio failureのリスクとなるが、それでも今回の結果ではCDAIによる有効性は同等だった。かつ、治療継続性はTCZ群で優れていた
  • limitation
    • observational studyなのでbaselineの交絡因子が除外しきれていないかも
    • 今回の結果は、1つ以上のbio fdailureの既往があるRA患者のデータに限っている

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