<abstract>
・目的
1つ以上のbDMARDに対して治療反応性が不良であったRA患者に対する、TCZとTNFαiのRAに対する有効性を評価する
・方法
1つ以上のbDMARDに対して治療反応性が不良であったRA患者をヨーロッパの10種類のレジストリからincludeした。薬剤の継続期間、ΔCDAIを評価した。治療開始1年後のCDAI remissionと低疾患活動性(LDA)の割合をLUNDEX correctionを用いて評価した。
・結果
TCZ mono 771人、TCZ combo 1773人、TNFαi mono 1404人、TNFαi combo 4660人を解析した、粗薬剤継続率は TCZmono(2.31 years, 95% CI 2.07 to 2.61), TCZ combo (1.98 years, 95%CI 1.83 to 2.11) が TNFi combo (1.37 years, 95%CI 1.30 to 1.45), TNFi mono (1.31 years, 95%CI 1.18 to 1.47).より高かった。国と治療開始時期で補正すると、治療中断のリスクは高い順に、TNFαi mono > TNFαi combo > TCZ mono ≒ TCZ combo だった。ajusted ΔCDAIはどの群も同等だった。CDAI remissin と LDAの割合も同等だった。
・結論
治療継続率が高く効果が同等である観点からは、1つ以上のbDMARDに対して治療反応性が不良であったRA患者に対しては、TCZ mono/combo が TNFαiよりも適切かもしれない
<背景>
- 多くのinternational guidelineでは、bDMARDsはMTX or other csDMARDと併用して用いることを推奨している
- しかしながら、様々なレジストリのデータからは、30%程度の患者は患者の好みやcsDMARDが合わないために、monotherapyで使用している
- ADACTA trialではTCZ monoのほうがADA monoよりも優れた結果となったが、そもそもTNFiはMTX併用のほうがいいというデータが明らかである
- TCZも、国内のSURPRISE studyではMTX-IRに対してmonoよりもMTXにadd onのほうが有効性が高いことが示されているが、国や母集団やendpointが異なる他の試験では様々な結果も出ている
- そこで、今回の試験は、TCZ mono、TCZ combo、TNFαi mono、TNFαi comboをまとめて比較することでどれが優れているか調べることとした
<方法>
- The TOCERRA collaboration of registries (TOcilizumab Collaboration of European Registries in RA) を使用
- TCZの有効性を調べる医師主導、企業協力型プロジェクト
<結果>
- characteristics(table1)
- TCZ mono 771人
- TCZ combo 1773人
- TNFαi mono 1404人
- TNFαi combo 4660人
- TCZ群のほうがやや年齢高く、罹病期間も長め、bio使用歴も多め、HAQも高め
- 治療継続率はTCZ群のほうが高い(figure1)
- 年齢、性別、罹病期間、seropositivity, bio使用歴、baselineのステロイド・疾患活動性・HAQで補正後も、TCZ群で中断リスクは低い
- ΔCDAIは同等
- LUNDEX indexによる治療反応性の評価も同等
<考察>
- TCZ群のほうが、年齢が高く、罹病期間も長く、HAQも高く、bio使用歴も多く、これらはbio failureのリスクとなるが、それでも今回の結果ではCDAIによる有効性は同等だった。かつ、治療継続性はTCZ群で優れていた
- limitation
- observational studyなのでbaselineの交絡因子が除外しきれていないかも
- 今回の結果は、1つ以上のbio fdailureの既往があるRA患者のデータに限っている
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