Ann Rheum Dis 2017;76:1389–1395.
背景
- SpAはaxialとperipheralに分けられることができ、後者はさらにPsAとnon-PsA(pSpA)に分けられる
- pSpAは高い自然治癒率も報告されているが、早期のpSpAにRAやaxSpAのようにしっかりとした治療介入が必要かはわかっていない
- Ann Rheum Dis 1979;38(Suppl 1):32–3.
- Best Pract Res Clin Rheumatol 2014;28:807–18.
- RAのようにaxSpAにもwindow of opportunityのようなものがあることが示唆された
- Arthritis Rheum 2009;60:946–54.
- pSpAにもwindow of opportunityがあるのか、超早期の時期にTNF-I製剤を使用して効果を調べることが目的である
方法
- 60人
- 単施設
- Double-blinded RCT
- 介入群:Golimumab 50mg s.c. every 4 weeks
- コントロール群:placebo 50mg s.c. every 4 weeks
- 介入群:コントロール群=2:1
- コントロール群において、12週の時期で下記を全て満たせばレスキューとしてgolimumab開始
- Patient-reported outcomes(PRO)of BASDAI、Patient Global Assessment(PGA)of VAS、PGA of pain VAS にて全く改善なし
- BASFI > 6
- 末梢関節炎、腱付着部炎、指尖炎がベースラインより改善なし
- 対象
- Assessment of SpondyloArthritis international Society(ASAS) criteria for pSpAを満たす
- 症状出現から12週間以内
- ベースラインで、PGA of VAS ≧ 40mm & PGA of pain VAS ≧ 40mm
- 除外基準
- 4週間以内に重大な感染症
- 直近10年以内に悪性腫瘍
- 他の重大な併存症
- RF or CCP抗体陽性
- NSAIDsはベースラインで使用していた量で継続することは可能とし、症状に応じてtaperingしてもOK
- DMARDs, steroidは使用不可(すでに診断し4週間は安定している乾癬や炎症性腸疾患に対して使用している場合を除く)
- 皮膚乾癬やぶどう膜炎に対する局所のステロイド使用はOK
- ステロイド関節注射は不可
- ITT解析
Primary Outcome
- 24週時点でのremissionの割合(末梢関節炎、腱付着部炎、指尖炎なし)
Secondary Outcome
- peripheral spondy-loarthritis remission criteria (pSpARC)
- ベースラインからのPGA of VAS、PGA of pain VASの改善
- BASDAI
- BASFI
などなど
結果
- n=60
- 期間:2012/3 - 2015/6
- 脱落なし
- 平均症状持続期間 :それぞれ4.4週間、5.2週間
- NSAIDs使用量に有意差なし
- DMARDs使用していたのはIBDに対してSASPを使用していた1人のみ
- PSL使用なし
- 7/60人で炎症性腰痛あり、21/60人で仙腸関節にMRIで骨髄浮腫あり
- golimumab群では、24週時点で75%がremission
- 12週時点ですでに70% remission
- 他のPGA of VAS、PGA of pain VAS、TJC, CRP、NSAIDs使用量なども有意に改善
- プラセボ群では20%が自然寛解
Discussion
- ASAS sriteriaを満たす発症から12週間以内のpSpAにおいて、TNF-I製剤を使用して早期に治療介入することの有用性を示した
- プラセボ群で20%は自然寛解になったので、生物学的製剤によるovertreatmentの危険性も考慮すべきだが、このプラセボ群の自然寛解はNSAIDs使用による影響もある
- プラセボ群では50%がレスキューされたので、自然寛解を期待するのは難しいかもしれない
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