Frisell T, et al. Ann Rheum Dis 2018;77:650–657.
  
    
- RAにおいては、多くのbDMARDsが使用可能になった
 - 1剤目、2剤目の選択方法に決まったものはなく、製剤間の違いによって、ランダムではなく主治医によって選択されている
 - 患者がどの治療をしているかをモニターする重要性については、少なくとも2つある
 - 主治医が特定の薬剤をある患者に使う傾向があるとすると、その集団における治療の忍容性と有効性に影響が出ているのか調べる必要がある
 - ランダムではない治療選択が、ある種の交絡因子によって、RAの治療に関する研究結果を歪めている可能性がある
 - そのため、今回の研究には、2つの目的がある
 - 患者の、bDMARDsを開始する時点と、最初にTNFiを使用した後に2剤目に変更する時点における、背景因子の違いとbDMARDsの関連を調べる
 - RAの研究における潜在的な交絡因子を探る
 
方法
- 対象
 - スウェーデンのnationwideなレジストリである、the Swedish Rheumatology Quality register (SRQ) に登録された、2011年-2015年の間に、1剤目 or 2剤目のbDMARDsを開始したRA患者
 
結果
- characteristics(table1)
 - 1剤目
 - TNFi が最多(82%)
 - その次は RTX(10%)
 - 1剤目が TNFi か RTX かの間の違い
 - 年齢
 - RTXの方が高齢
 - 教育レベル
 - RTXの方が低い
 - 自己抗体
 - RTXの方が陽性率高い
 - 罹病期間
 - RTXの方が長い
 - 炎症反応
 - RTXの方がESR高い
 - ABT群は、TNFi群とほぼ同等だが、ESR高い
 - TCZ群は、疾患活動性と炎症反応が高く、HAQも障害されている患者が多い
 - non-TNFi群全体で、MTX併用率低い
 
- RTX, ABTを使用している人は、baselineにおけるmedical historyが、TNFiと異なっている
 - この違いは、年齢、性別、住所で調整すると小さくなるが、違いは残っていた(figure1)
 - TCZ群は、TNFi群に近かった
 - TNFi群の中での違いは、以下のみ
 - IFX:やや年齢高く、疾患活動性高め
 - ETN:女性が多い
 
- 1剤目がTNFiだった場合に、次のbDMARDsへ変更する場合の患者の特徴について
 - 上のfirst bDMARDsのcohortと比較すると、比較的、均質だった
 - 2剤目
 - TNFiが最多(65.8%)
 - RTX or ABT群:年齢が高め、最近の重症感染症の既往が多い
 
- 製剤間の、5年以内での有害事象の発症率、1年後の治療反応性を比較
 - crudeだと差があるように見えるが、年齢・性別で調整すると、その差はかなりなくなった
 
まとめ
- 最初のbDMARDsがTNFiでなかった人は、高齢で、社会背景レベルが低く、併存疾患が多かった
 - この差は、小さくはなったものの、TNFiから2剤目のbDMARDsへ変更する際にも、同様だった
 - この違いは、薬剤選択に関する、エビデンスレベルの低い以下の暫定的な推奨を部分的に反映していると考えられた
 - 悪性腫瘍の既往あり:TNFiではなくRTX
 - 重症感染症の既往あり:TNFiではなくABT
 - うっ血性心不全の既往あり:non-TNFi
 - 治療のoutcomeも、年齢と性別で調整すると、製剤間の違いはなさそう
 - しかしながら、潜在的な交絡因子が残っている可能性はあり
 - 今後、ランダム化されていないRAの治療に関する試験では、これらの交絡因子が影響している可能性を考慮する必要がある生物学的製剤
 




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