Iwamoto N, Tsuji S, Takatani A, Shimizu
T, Fukui S, Umeda M, et al. (2017) Efficacy and
safety at 24 weeks of daily clinical use of tofacitinib
in patients with rheumatoid arthritis. PLoS ONE 12
(5): e0177057. https://doi.org/10.1371/journal.
pone.0177057
目的
- RAに対するトファシニチブの有効性を評価
方法
- 観察研究
- 対象
- 長崎大学、佐世保中央病院でフォローされているRA患者
- 2013/11-2016/5の期間でトファシニチブを開始した70症例
- ACR/EULAR 2010 RA criteriaを満たす
- 観察期間:24週間
- トファシニチブの用法
- 5mg 1日2回
- csDMARDsの併用継続は可
- ガイドラインでは、MTX > 8mg でも3ヶ月間以上治療抵抗性の患者にトファシニチブは推奨されており、今回は67/70症例がそれに該当した
- 他の3例はMTX naiveであり、他のbDMARDs含めた治療に抵抗性のためトファシニチブを導入された
結果
- baseline(table1)
- 平均年齢:64.2 ± 11.5 才
- MTX併用:68.6%
- 経口ステロイド併用:52.9%
- bDMARDs使用歴
- naive:22/70例
- 1 or 2 剤:24/70例
- 3剤以上:24/70例
- 疾患活動性
- DAS28-ESR:5.04 ± 1.33
- SDAI:22.25 ± 14.17
- CDAI:21.66 ± 13.60
- 24週目までトファシチニブを継続:82.9%(58/70例)
- 有効性なく中断:7例
- 有害事象:4例(肺炎、敗血症、嘔気、耳下腺癌)
- 患者の自己判断:1例
- 有効性
- DAS28-ESR:5.04 ± 1.33 → 3.83 ± 1.11
- remissionの割合
- DAS28-ESR:0% → 21.4%
- SDAI:0% → 26.1%
- CDAI:0% → 20.3%
- LDAの割合
- DAS28-ESR:5.7% → 40.0%
- SDAI:15.9% → 69.6%
- CDAI:13.0% → 71.0%
有害事象
- 1つ以上の有害事象を経験した症例:20%(14/70例)
- 帯状疱疹:10 - 22週に発症し、5例とも治癒後にトファシチニブ再開した
MTX併用の有無, TCZからのスイッチからかそうでないか、でそれぞれ分けた解析
- TCZからのスイッチ群のほうが、baselineの疾患活動性、経口ステロイド併用率、ESRが高い
- ※しかし、baselineのcomposite measureによる疾患活動性に関しては, TJC, SJC, P-VASは2群間でほぼ同等であり, かつ盲検でないので、CRP, ESRとそれに引っ張られたD-VASが影響している可能性あり
- MTX併用群のほうが、RF陽性の割合が多い
- MTX併用群、非併用群でトファシチニブ継続率は有意差なし
- 85.4% vs 77.3%, P = 0.37
- MTX併用群のほうがDAS28-ESRがより改善している傾向にあるが、有意差なし
- TCZからのスイッチ群(※non-responderか二次無効かは不明)か、TCZ以外からのスイッチ群か
- baselineによる違いがあるので正確な比較はできないが、有意差はなかった
- TNFiからのスイッチ群(n=10)とTCZからのスイッチ群を比較すると、トファシチニブの有効性は同等だった
- 平均ΔDAS28-ESR
- TCZからのスイッチ群:-1.01
- TNFiからのスイッチ群:-0.88
- P = 0.88
- 多変量解析
- 24週時点でのLDA達成に有意に関係した因子
- これまで使用したことのあるbDMARDsの数
まとめ
- MTX併用の有無でトファシチニブの有効性に有意差はでなかったが、MTX併用のほうが有効な傾向があり、ORAL soloの既報の結果も考慮すると、おそらくMTX併用のほうがよりトファシチニブは有効なのだろう
- TCZからのスイッチでも、そうでない場合と比較して同等にトファシチニブが有効だったので、この場合はIL-6経路とは別の機序で有効性を発揮したものと思われる
- トファシチニブの有効性に影響する因子としては、これまでに使用したbDMARDsの数だった
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