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2017年11月5日日曜日

脳と免疫システムが、慢性炎症と老化におけるエネルギー不足を増強している


Rainer H. Straub 

The brain and immune system prompt energy shortage in chronic inflammation and ageing

NATURE REVIEWS | RHEUMATOLOGY
ADVANCE ONLINE PUBLICATION | 1 

はじめに

  • RAなど慢性炎症性疾患では、倦怠感、抑うつ、睡眠障害、食欲低下、貧血、栄養障害、骨量減少、筋疲労、性欲低下などが起こる
  • そしてまた、慢性炎症は老化を促進することも知られている
    • 慢性炎症によってエネルギーの支出が増え、エネルギー不足となり、精神的・身体的活動性が低下する


Two 'selfish' super-systems
  • ヒトは、なんらかの恐怖があった場合(table1)に、エネルギーの調整システム、脳、免疫反応が以下のように反応する(図)
    • 脳、免疫システムは自らを優先するようになり、エネルギーを蓄えている組織からエネルギーをもらうselfishなシステムである





Energy costs in inflammation
  • あまり動かない生活をしている場合、1.8m、85kgの人間は10,000kJ/day必要とする
    • 安静時のみで7500kJ/day必要
  • 免疫系は、活性化していない場合で1600kJ/day要する
    • 少し活性化すると25%増加し、2000kJ/day程度となる。急性感染症では30-60%増加する。慢性感染症では10%増加する
  • 脳もなんらかの急性の変化の際にエネルギー需要が増加する
    • アルツハイマーなど慢性の変化、不安障害、喫煙などでもエネルギー支出は10-20%程度増加することがわかっている




  • 上記のように、IL-6に代表される炎症だけでなく、不安や痛み、精神症状などでもエネルギー支出が増えるため、例えばRA疾患活動性が寛解に入っていれば良しとせず、痛みなどにもきちんと対応する必要がある


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