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2017年9月8日金曜日

EGPAに対する大量免疫グロブリン療法(IVIg)

  • EGPA発症時にTreg減少、remission時にTreg増加している
    • Tsurikisawa N,et al. J Allergy Clin Immunol 2008,122:610616.
  • IVIgは、自己免疫疾患において、自身のFc regionによって、以下の作用機序を有していると考えられている
    • forkhead box P3 (FOXP3)・TGF-β・IL-1o・CTLA-4の発現増加を介して、CD4+CD25+ Tregの増加・機能亢進させている 
    • 自然免疫とT cell表面分子を直接制御 
    • Treg増加によりallogenic T cell responseを抑制 

  • 用量:400 mg/kg/day × 5日間
  • PSL sparing agentとして期待できる
    • Tsurikisawa N,et al. J Allergy Clin Immunol 2008,122:610616.

  • もともと末梢神経障害はPSLやCYC治療で改善しにくいが、IVIGは末梢神経障害による運動神経障害(感覚障害は残りやすい)、予後因子となる心機能低下に対して考慮(IVIg直後からEFや不整脈が改善するケースが多い)
    • Naomi Tsurikisawa, et al. Ann Allergy Asthma Immunol. 2004;92:80–87.

characteristics
  •  MPO-ANCA(+):No. 4, 7, 11, 12
  • 11/15人:免疫抑制剤併用
  • LTRA治療併用:No. 4, 8, 15
  • ステロイド漸減中 or 中止後:No. 2, 3, 6, 11, 13, 15


  • ステロイド ± CYCにて、神経障害と心筋病変は残存している症例にてIVIg検討
  • 神経障害のタイプ
    • 単神経炎(2人)
    • 多発神経炎(1人)
    • 多発単神経炎(12人)
    • 全員に下肢に病変あり、10人は上肢にも認めた。
  • IVIg治療前にEosi < 5%以下に低下
  • 13/15人は1週間以内に神経障害は改善し, 効果は6−12ヶ月持続していた
    • Pa No. 9, 14は改善なし。
    • 9は重症の神経障害と筋萎縮あり、14はもともとわずかでステロイド治療前に改善していた。
  • 全員、皮膚の温度が上がったと感じた

  • 心筋シンチを施行した5例全員でMIBG取り込みの取り込みは増加(=心臓の交感神経機能改善)し、洗い出しも増加し、Tlの取り込みも増加した(=冠動脈血流の増加)[Fig3-5]
  • 好酸球全体の数は変わらなかったが、CD69-好酸球数が減った[Fig6]
  • AEは一例もなし

  • 初回は末梢血好酸球が減少した時期=免疫抑制剤で治療開始後、最低1ヶ月前後経過した時期が効果得やすい(早すぎると炎症により消耗される)
  • IVIg投与直後はビリビリジンジンが一時的に増強することもあるが、それは血流増加によるものなのでリハビリで軽快することを伝えておく。
  • 効果発現時期は免疫抑制剤併用していれば1週間程度、ステロイド単剤なら数週間-1ヶ月程度。
  • 高齢者でリハビリが十分にできない or 筋萎縮著明な場合は効果薄い。
  • 多くの症例では投与後 2 - 3ヶ月でIgG値が治療前に戻るが効果自体はもっと長く続くこともあり(3−9ヶ月)、再投与は血管炎症状の回復の程度を見て2 − 3ヶ月間以上の間隔をあける。

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