Ann Rheum Dis 2017;76:1279–1284
背景
- RAに対して、bDMARDsやcsDMARDsを駆使した早期からの適正な治療が推奨されている
- FUNCTION trialについて
- 多施設、2年間、二重盲検、ランダム化比較試験
- 対象
- MTX-naive
- 18歳以上
- 中等度以上の活動性を有する
- DAS28-ESR >3.2, ESR ≥28 mm/h or C reactive protein (CRP) ≥1 mg/dL
- 発症から2年以内
- RF or CCP抗体陽性
- 骨びらん関節数 ≧ 1
- 1:1:1:1にランダム化
- TCZ(8mg/kg)+MTX
- TCZ(4mg/kg)+MTX
- TCZ(8mg/kg)+placebo (TCZ mono-therapy)
- MTX +placebo(MTX mono-therapy)
- TCZは点滴で4週間ごとに投与
- MTXは7.5mg/wから開始し8週目までに最大20mg/wまで増量
- 52週間の時点ではTCZ+MTX, TCZ mono-therapy がMTX mono-therapyよりも寛解(DAS28-ESR < 2.6)達成率が高く、TCZ+MTXのほうがMTX mono-therapyよりも関節破壊の進行も抑制し、機能予後も良好であった
- 今回の試験は、上記FUNCTION trialの104週間時点での解析結果である
方法
- 詳細は上記の通り
- 52週時点で、TCZ(4mg/kg)+MTX群 or MTX mono-therapy群において低疾患活動性(DAS28-ESR ≤3.2)を達成していな場合にはTCZ(8mg/kg)+MTXにswitch
- 一回でもTCZ or placeboを受けた群は全例解析対象
結果
- 寛解維持に関して
- TCZ(8mg/kg)+MTX群
- 52週時点で49.3%が寛解であったが、104週時点でも47.6%が寛解を維持していた
- MTX mono-therapy群 or TCZ(4mg/kg)+MTX群でTCZ(8mg/kg)+MTXにswitchした群
- 104週時点における寛解率はそれぞれ51.4%, 30.5%
- 関節破壊抑制に関して
- TCZ(8mg/kg)+MTX群
- baselineからのΔmSHS
- 52週時点:0.13
- 104週時点:0.19
- TCZの安全性に関して
- これまでの報告と同様で、感染症がメイン
- 消化管穿孔が少なかったのはNSAIDsやステロイドの使用率が低かったからかもしれない
まとめ
- 早期RAに対するTCZの優位性(疾患活動性、関節破壊に対して)は2年間維持できた
- TCZの効果は用量依存性であった(有効性 8mg/kg > 4mg/kg)
- MTX使用できなくてもTCZ monotherapyでmaintenanceもそれなりに良好
- TCZ monotherapyで52週時点で寛解を達成できていなくても、さらに長期間治療することで、わずかではあるが寛解を達成できる人もいる
- MTX monoterapyで52週時点で低疾患活動性達成できなくてもTCZを追加することで50%程度の人が104週時点で寛解を達成できる
- TCZ(4mg/kg)+MTXの場合は、増量することで30%は寛解達成できる
- 血中TCZ濃度を測定すると、MTXの有無で違いなかったので、ADAと異なり(Ann Rheum Dis 2015;74:1037–44. )、MTXがTCZ血中濃度に影響することはない
- 9人のみ抗TCZ中和抗体陽性であったが、それによって有意に効果が落ちることはなかったのは既報と同じだった
- Burmester GR, Choy E, Kivitz A, et al. Low immunogenicity of tocilizumab in patients with rheumatoid arthritis. Ann Rheum Dis 2016
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