<EGPAと好酸球性胆嚢炎>
- 症状は、右上腹部痛や発熱など一般的な急性胆嚢炎と同様のことが多い
- EGPAにおいて、潰瘍、胃炎、小腸閉塞、虫垂炎、膵炎などあらゆる原因による上腹部痛の頻度は、41%と報告されている
- Medicine (Baltimore) 78:26–37
- しかし、EGPAに合併した好酸球性胆嚢炎を報告しているのは、Pubmedで検索しうる限り12例のみ
- Clin Rheumatol.2016 Jan;35(1):259-63.
- 画像所見も、通常の急性胆嚢炎と同様に胆嚢腫大や胆嚢壁の浮腫性肥厚が認められ、特異的な所見は明らかでない。
- Shakovらの報告では、好酸球性胆嚢炎全体において、胆石を伴っていたのは6/24例(25%)
- Ann Clin Lab Sci 2007;37:182-185
- 一般的な胆嚢炎であれば90%以上で胆石を有するので、胆石の有無が鑑別点になるかもしれない
- 病理では、好酸球の浸潤、small- to medium サイズの壊死性血管炎が報告されている
- 好酸球を伴わないmonocyteの浸潤を認めた例も報告されている
(日臨外科会誌.2015;76(9):2284-2288.)
(Intern Med 2017 Dec 21. [Epub ahead of
print])
(Clin Rheumatol. 2016;35(1):259-63.])
- 早期に治療をステロイドによる行えば予後は比較的良好
<EGPAと好酸球性胆管炎>
- 好酸球性胆管炎は、1985年にButlerらによってその概念が提唱された
- Am J Gastroenterol 1985; 80: 572-574)
- 多くは特発性で、感染症に続発する二次性の例も報告されている
- Pubmedで検索できる1990-2015年に報告された症例をまとめた報告では、計35例
- 胆道.2016;30(4);731-740.
- 平均年齢:44.4 歳、男女比:1.19:1
- 腹痛、発熱、黄疸で発症することが多い
- 末梢血の好酸球数が増多(>1500/μL)していた症例は:18 例(51.4%)
- 胆嚢炎合併例:13 例(37.1%)
- EGPAに好酸球性胆管炎を合併した症例が報告されているのは、Pubmedで検索しうる限り1例のみ(Case Rep Gastroenterol 2014;8:329-336)
- 胆道の病理では、胆道に慢性炎症所見を認め、plasma cells, lymphocytes, eosinophilsなどの浸潤を認めた
- この症例では、他の消化管に広範な好酸球浸潤を伴っていた
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