Arthritis Care & Research
Vol. 69, No. 10, October 2017, pp 1467–1472
Vol. 69, No. 10, October 2017, pp 1467–1472
背景
- MTXはRAにおけるキードラッグである
- しかしながら、2/3の割合で、MTX単剤では低疾患活動性を達成できず、治療強化が必要になる
- MTX単剤治療に続く治療として、生物学的製剤とcsDMARDs併用が選択肢として考えられる
- 最近の3つのランダム化試験において、csDMARDs併用が不応だった場合に生物学的製剤を使用することの有用性を示した
- Arthritis Rheum 2012;64:2824–35.
- Lancet 2009;274:459–66.
- N Engl J Med 2013;369:307–18.
- 多くの臨床医は、MTX不応の場合は、上記の治療ではなく、TNF阻害剤などをMTXに併用することを好む傾向にあるが、経済的な面を考慮すると、csDMARDs併用の方が好ましい
- The Rheumatoid Arthritis Comparison of Active Thera- pies (RACAT) trialについて
- 対象:MTX不応のRA患者、353人
- ランダム化、多施設、二重盲検、非劣勢証明
- 割付:」
- primary outcome:48週間後のDAS28改善度
- 24週時点で、治療効果不十分(ΔDAS28 < 1.2)の場合には、両群とも盲検のまま他の治療へ変更
- 結果
- 3剤併用群群における、ETN併用群との非劣勢を証明した
- 両群におけるアドヒアランスは同等だった
- N Engl J Med 2013;369:307–18.
- RACAT trialの結果が報告されてから、3剤併用治療におけるアドヒアランスや治療継続率について検討されてきた
- 2つのretrospective試験では、3剤併用治療の方が、TNF阻害剤+MTXよりも、アドヒアランスは低く、治療継続率も低いと報告された
- 今回の試験では、open-labelにて、RACAT trialの患者を追跡調査し、治療継続率について調べた
方法
- RACAT trialの353人のうち、314人がperiod1(ランダム期間である48週間)を終了し、そのうち289人(314人の92%)において同意を取得して今回の試験へ組み込み
- RACAT trial評価時点である48週間時点で盲検を終了し、その後の治療変更や継続はRAコントロールに応じておこなうよう、患者・主治医に任せた
- フォロー期間:RACAT trial割付〜72週間時点
- 治療継続の定義;他の薬剤を追加せずに、治療regimenを継続すること
結果
- baseline characteristics
- 両群とも、DAS28, SJC, TJCなどの疾患活動性、最終フォロー期間含め、背景は同等
- 治療継続率(figure1)
- 1年後時点
- 3剤併用群:78%
- ETN+MTX併用群:63%
- 治療脱落が最も多かったのは治療開始時点
- 治療開始時点での他の治療への変更は、ETN+MTX併用群→csDMARDsのほうが、3剤併用→生物学的製剤よりも有意に多かった(p=0.005)
- 治療開始後すぐに変更した場合は解析から除外されたが、変更した症例におけるcsDMARDsと生物学的製剤の治療継続率は有意差なし(p=0.169)(figure2)
- 施設における治療変更率の違いも検討したが、施設間で有意差なし(table2)
- 両群におけるΔDAS28も有意差なし(table3)
まとめ
- 治療開始直後の治療変更はETN+MTX群併用において有意に多かったが、それを除いても、治療継続率は同等だった
- ΔDAS28も両群で有意差なし
- それぞれの群において治療変更した理由は、今回の調査の中では調べておらず不明
- 今後はより長期の成績について調べる必要がある
- 今回の試験ではMTX平均用量は19.6mg/wであり、他の試験よりも比較的多い
0 件のコメント:
コメントを投稿