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2019年5月9日木曜日

トファシチニブ開始後のリンパ球数、リンパ球サブセットの推移と感染症の関連について

Evaluation of the Short‐, Mid‐, and Long‐Term Effects of Tofacitinib on Lymphocytes in Patients With Rheumatoid Arthritis

Ronald van Vollenhoven,1 Eun Bong Lee,2 Sander Strengholt,3 Christopher Mojcik,3 Hernan Valdez,3 Sriram Krishnaswami,4 Pinaki Biswas,3 Irina Lazariciu,5 Anasuya Hazra,4 James D. Clark,6 Jennifer Hodge,3 Lisy Wang,4 and Ernest Choy
Arthritis & Rheumatology Vol. 71, No. 5, May 2019, pp 685–695 DOI 10.1002/art.40780

<背景&目的>

  • トファシチニブは、JAK/STAT pathwayを介して、複数のサイトカインを可逆的・部分的に抑制する
    • IL-2, IL-4, IL-7, IL-9, IL-15, IL-21:common γ-chain familyであり、JAK1/JAK3を介してT細胞、NK細胞、B細胞の分化や増殖に重要である
    • そのため、トファシチニブが免疫細胞の機能や数に影響すると考えられている
  • トファシチニブは、生物学的製剤と同等の重症感染症リスクを有する
    • リンパ球数(absolute lymphocyte counts (ALCs))が低いほど重症感染症のリスクが増加する
    • トファシチニブ 5 or 10mg 1日2回投与されている場合、ALCs < 500 cells/mmとなる人が~0.04%程度おり、ここまで低下した場合はトファシチニブを中止することが推奨されている
  • 今回は、トファシチニブを短期間、中期間、長期間内服しているRA患者のALCs, リンパ球サブセット数( lymphocyte subset counts (LSCs))と感染症リスクの関連を調べた
<方法>
  • トファシチニブのphase 1,2,3, LTEの臨床試験に組み込まれていたRA患者を解析

<結果>

ALC

  • 短期間(ORAL Standard試験とORAL Start試験、Figure 2A,B) 
    • ALCは、最初の1ヶ月では増加した。しかし、時を経るごとに徐々にALCは低下。
  • 長期間(Figure 2C)
    • baselineより -400 cells/mm3 程度の減少で安定
    • しかし、1.2%(80/6897人)の人が ALC < 500 cells/mm となった
      • この80人のうち、64人はトファシチニブと他の薬剤を併用、16人はトファシチニブ単剤だった



SLC
  • T細胞:徐々に減少
  • B細胞:最初は増加するも、徐々に軽度低下
  • NK細胞:最初は低下するも、最終的には増加


中止後の可逆性
  • 上記 ALC < 500 cells/mmとなった患者も、トファシチニブをやめればALCも回復する
  • LSCも戻る


感染症リスク
  • ALC < 500 だと、500以上の時よりも重症感染症のリスクが高い
  • ALCが低くなるほど帯状疱疹のリスクも増加する傾向だが、帯状疱疹になった人が少なすぎて結論が出せなかった

  • LSCでみると、どれかのサブセットにおいて特異的に重症感染症、帯状疱疹のリスクと関連するわけではなさそうだった
  • ALC < 500 となるリスク因子を探索するためCox regression analysisをすると、以下が有意なリスク因子だった
    • baseline ALC が低いこと
    • 高齢
    • トファシチニブの用量が多いこと
    • MTX併用あり


  • まとめると、トファシチニブの免疫細胞への影響は下の通り
Cell
Tofacitinib treatment effect
Reversibility
Clinical consequence
Monitoring
ALC
Gradual decrease of 400 cells/mm3 (24%) over ~48 months; ~1/100 incidence of confirmed ALC <500 cells/mm3
Post-treatment discontinuation follow-up supports return to baseline
Increased risk of SI at ALC <500 cells/mm3. HZ generally showed an increasing risk with lower ALC values
Yes, due to association with infections and lymphopenia risk; do not initiate tofacitinib, or discontinue tofacitinib, if ALC <500 cells/mm3
CD3+ T cell
Changes mirror that of ALC; decrease of 21% after ~50 months
Temporary withdrawal supports expansion of CD3+ T cells within 4 weeks
No evidence of an imbalance in infections at low values
Not required
CD4+ T cell
Changes mirror that of ALC; decrease of 28% after ~50 months
Temporary withdrawal supports expansion of CD4+ T cells within 4 weeks
No evidence of an imbalance in infections at low values
Not required
CD8+ T cell
Changes mirror that of ALC; decrease of 28% after ~50 months
Temporary withdrawal supports expansion of CD8+ T cells within 4 weeks
No evidence of an imbalance in infections at low values
Not required
NK cell
Short term decrease of ~20–40%, followed by increase of 69% after ~50 months
Temporary withdrawal supports expansion of NK cells within 4 weeks
No evidence of an imbalance in infections at low values
Not required
B cell
Short term increase of up to ~30%, followed by return to baseline at ~50 months
Temporary withdrawal supports return to baseline within 4 weeks
No evidence of an imbalance in infections at high values
Not required

<考察>
  • MTX naiveやMTX-IRなど異なる集団を解析対象としていることに注意が必要
  • ALC < 500となるのは1%程度で、かつそのうち80%は他の治療薬を併用していた。ALC < 500 となってトファシチニブを中止しても、中止後3-6週で > 500まで改善する
    • しかし、ALC < 500となると重症感染症や帯状疱疹のリスクが増加する
    • baseline ALCは、トファシチニブを開始したのちにALC < 500となるリスク因子であり、baseline時点で500未満の場合はトファシチニブは勧められない
  • 特にLSCのモニターは必要なさそうであり、ALCをモニターすれば十分だろう
  • トファシチニブの開始直後のALC増加は、トファシチニブによる疾患活動性の低下や、リンパ球のtraffickingやmarginationの阻害の影響が考えられる
  • IL-7/IL-15はCD4/CD8 T cellの生存や増殖に必要であり、IL-15はNK細胞の生存にも必要である
    • 先にNK細胞がT細胞よりも減るのは、半減期の違いからだろう
    • その後徐々にT細胞が減ることで、NK細胞とT細胞によるIL-15の競合が緩和し、NK細胞にIL-15が作用しやすくなることで長期的にNK細胞が増加するのだろう
    • B細胞の変化の理由に関しては全くわからない
    • 上記は全て推論であり、トファシチニブがALC/SLCに影響を及ぼす機序はわかっていないことが多い


2019年5月8日水曜日

発症早期RAにおけるMTXの有効性を予測する遺伝子:治療前、治療開始4週間後の遺伝子発現量データでおこなったWGCNAにて



Profiling of Gene Expression Biomarkers as a Classifier of Methotrexate Nonresponse in Patients With Rheumatoid Arthritis 

Darren Plant,1 Mateusz Maciejewski,2 Samantha Smith,3 Nisha Nair,3 the Maximising Therapeutic Utility in Rheumatoid Arthritis Consortium, the RAMS Study Group, Kimme Hyrich,1 Daniel Ziemek,2 Anne Barton,1 and Suzanne Verstappen
Arthritis & Rheumatology
Vol. 71, No. 5, May 2019, pp 678–684
DOI 10.1002/art.40810

<背景&目的>

  • MTXはRAのkey drugである
  • ガイドラインでは、MTXの有効性を確認するのに6ヶ月投与することを推奨している
    • しかし、発症早期に有効な治療をすることで関節破壊の進行を抑制することがわかっており、もっと早く効果判定したい
  • MTXの有効性を予測するデータは限られている
    • 年齢、seropositivity(RF, ACPA)と、有効性の関連ははっきりしない
    • 男性の方が女性より有効な傾向がある
    • 疾患活動性が低い人の方が有効な傾向がある
    • NSAIDsを併用している人の方が有効な傾向がある
    • DMARD使用歴は、MTX不応と関連する
    • 遺伝的な要因も報告されているが、いずれもサンプルサイズが少なく、検討された遺伝子の種類が少ない
  • 今回は、発症早期RAにおけるMTX開始6ヶ月後の有効性に関連するbiomarkerを探索するため、MTX開始前と開始4w後の遺伝子発現量データを解析した

<方法>
  • 対象
    • the Rheumatoid Arthritis Medication Study (RAMS)のRA患者
  • 治療前、MTX開始4週間後の全血からRNAを抽出して遺伝子発現量を測定
  • European League Against Rheumatism (EULAR) response criteriaにて、治療開始6ヶ月後にgood responderとnonresponderに分類
  • 有効性予測のモデルは、以下の3つの方法で作成
    • a linear method (regularized logistic regression)
    • a nonlinear method (random forest)
    • a pathway-supported approach(遺伝子発言量データを使用したモデル)
  • モデル作成に使用した臨床項目は、治療前と3ヶ月後の、以下の項目を使用
    • sex
    • age at disease onset
    • HAQ score
    • smoking habits
    • ACPA positivity (titer >10 units/ml)
    • number of swollen joints
    • number of tender joints
    • CRP levels
    • patient’s assessment of overall well-being
  • いずれのモデル作成の際にも、10-fold nested cross-validation をおこなった
  • hub geneやkey coexpression networkの探索のため、Weighted genetic coexpression network analysis (WGCNA)もおこなった
    • hub geneの機能解析のため、パスウェイ解析も追加した

<結果>
  • データキュレーション
    • 82人のRA患者の全血から採取したRNAのうち、QC後に残った22,271 probeを解析対象とした
  • MTX開始6ヶ月後のRA患者の転帰は下記
    • good responder:42人
    • non-responder:43人
  • 遺伝子発現量データに基づいた有効性予測モデル
    • 治療前〜治療開始4週間後の差を使用したロジスティック回帰モデル(linear model、Figure 1の一番右側の列の青色)が最もよかった


    • そのモデルの性能が下記グラフ


  • 臨床情報のみのモデルだとあまりよくない

  • どの遺伝子が最も影響を与えたかは、以下の図
    • 縦軸がGene symbol(Gene symbolがないものはillumina probe IDで表示)、横軸が回帰係数で、正の値、負の値ともに絶対値がトップ20のものを表示

  • WGCNA
    • MTX non-responderのRA患者の、治療前の遺伝子データに含まれる遺伝子について
      • 9個の遺伝子module(クラスター=モジュール)(midnight blue, light green, royal blue, magenta, grey60, black, salmon, green-yellow, and light-yellow)が、good responderとnon-responderのデータを一緒に解析して形成されたmoduleにはない、non-responderに特異的なmoduleとして特定された
        • 行名がnon-responder(NR)のmodule名、列名がgood responderとnon-responderを一緒に解析したデータ(consensus)のmodule名
        • セルの赤色は、log(p-value)と一致し、赤いほど有意にNRとconsensusのmoduleがoverlapしている(=NR特異的ではない)
        • セルの中の数字は、遺伝子の数

    • 同様に、治療開始4週間後のデータの場合は下記
      • 4つのmodule(salmon, light cyan, grey60, and yellow colors)がNR特異的な遺伝子クラスター

  • Pathway analysis
    • 上記で特定されたmoduleの意義を推定するために、各moduleに含まれる遺伝子のパスウェイ解析をおこなった
      • type1 IFN pathwayに関わる遺伝子、type1 IFN signaling pathwayは、治療前のMTX non-responderに特異的なmodule(light green)、治療開始4週間後のMTX non-responderに特異的なmodule(light cyan)のいずれにも含まれていた



  • light green(上), light cyan(下)の遺伝子ネットワーク


  • IFN pathwayに関わるtranscriptがMTXの有効性を予測できるかについて検討した
    • 全遺伝子を組み込んだモデルより精度はよくなかった

<考察>
  • type 1 IFNは、JAK/STAT pathwayを活性化し、innateとadaptive immune responseを活性化させる
  • RAでもtype 1 IFN responseが増加しており、自己抗体産生量と相関することは知られている
    • TNFa阻害薬の反応性ともpotentiallyだが関連するかもしれないと言われている
  • 今回もそうだったが、coexpressed genesは必ずしも遺伝子発現量が増加もしくは低下しているわけではない(具体的なデータは示さず)
  • この研究の強みはサンプルサイズ、治療前後のデータで検討していること、genome-wideの遺伝子で検討していること
  • limitationとしては、MTXの有効性を2元的に決めていること

新しいSLEの疾患活動性評価スコア:SLE-DAS

Derivation and validation of the SLE Disease Activity Score (SLE-DAS): a new SLE continuous measure with high sensitivity for changes in disease activity
Jesus D, et al. Ann Rheum Dis 2019;78:365–371.
doi:10.1136/annrheumdis-2018-214502

<背景&目的>

  • SLEDAIが、SLEの疾患活動性の指標として広く用いられている
  • しかし、SLEDAIは、"あり"か"なし”かで分ける二項的に指標をつけるものであり、remissionであるかどうかには問題ないが、その臓器病変の重症度が上がってもスコアは変わらず、疾患活動性の推移をモニターするのに限界がある
    • また、溶血性貧血や肺炎、消化管病変などが含まれていないことも問題である
    • こういったスコアの問題が、ベリムマブを除いて、実地臨床では効果があると実感される薬剤がSLEのphase 3の臨床試験で有効性を示せないことに繋がっている
  • そこで、今回は、SLE-DAS(the SLE Disease Activity Score )という指標を開発し、その有効性を検討した

<方法>
  • derivation cohort
    • ポルトガルのCentro Hospitalar e Universitário de Coimbra (CHUC) Lupus Clinic at Rheumatology Departmentのlongitudinal cohort
  • validation cohort
    • イタリアの Rheumatology Unit, University of Padovaのlongitudinal cohort
  • 対象
    • ACR 1997 SLE分類基準を満たす患者を上記cohortから組み込んだ
  • derivation cohortを使用して、SLE-DASを作成
    • SLEDAI-2Kでも用いられている17種類の項目(Table 1)をindependent variable、PGAをdependent variableとして、multivariate linear regression analysisをおこなった
      • フォロー期間中のvisitの中で、各患者において最も高い疾患活動性のvisitの時のデータを使用
      • あまりに欠損値が多いと、sample variationが小さくなってしまったり、independent variableが多すぎると回帰モデルの精度が落ちるので、10人以上の患者で観測された項目のみをモデルに組み込んだ
      • 組み込まれなかった項目は、熟練した解析者による裁量で重み付けをされた(他の項目との相関や、医師による疾患活動性の評価に与える影響などがその重みに考慮された)


  • 上記で作成したSLE-DASを、validation cohortを用いて、以下の項目について検討した
    • PGA, SLEDAI-2Kとの相関
      • PGA, SLEDAI-2Kは、各施設のSLE expertが、visitの直近30日間に関して、スコアをつけた
    • 臨床的に重要な変化(ΔPGA ≧ 0.3)を拾い上げる精度
      • ROC analysisでcut-offを決定
    • damage accrual(the SLICC/ACR Damage Index for SLE (SDI))を予測する精度


<結果>

1. スコアの作成過程
  • 520人のSLE患者を上記2つのコホートから組み込んで解析した

  • 以下の項目が10人以上の患者で観測できたため、multivariate linear regression analysisに組み込んだ
    • swollen joints
    • high urinary protein excretion
    • low platelet count
    • low white cell count
    • localized and generalized lupus rash
    • alopecia
    • mucosal membrane lesions
    • mucocutaneous vasculitis
    • low complement
    • increased levels of anti-dsDNA 
      • 尿蛋白、血小板、白血球数に関しては自然対数化した方がよいモデルとなった
  • 以下の項目は、観測数が足りなかったので、熟練したexpertによって重み付けをされ、最終モデルに入れた
    • neuropsychiatric involvement
    • systemic vasculitis
    • cardiac/pulmonary involvement
    • myositis
    • serositis
    • haemolytic anaemia
  • multivariate linear regression analysisを行った項目の回帰係数と、expertによる裁量で重み付けをした項目のスコアが下記

  • 上記の結果、作成されたSLE-DASが以下

  • SLE-DAS作成シート(各項目の定義含む)は下記
    • 各施設でvalidationするのに使いやすそうです。


2. Internal Validation(deriviation cohortで検討)

  • SLE-DASと、他の指標との相関(最終visitのデータで検討)
    • PGA  (rs =0.975, p<0.0005)
    • SLEDAI-2K SLEDAI-2K (rs =0.94, p<0.0005) 
  • PGAとSLEDAI-2Kもきちんと相関していた(r =0.973, p<0.0005).
  • 臨床的に重要な変化量(ΔPGA ≧ 0.3)としての、SLE-DASの精度は、SLEDAI-2Kよりも優れていた
    • SLE-DAS:AUC=0.927 (95% CI 0.885 to 0.969, p<0.0005)
    • SLEDAI-2K:AUC=0.787 (95% CI 0.718 to 0.857, p<0.0005)
    • ΔSLE-DASのcut-off:1.72


  • ΔSLE-DAS(≧1.72)は、ΔSLEDAI-2K(≧4)よりも、臨床的に重要な変化(ΔPGA ≧ 0.3)を拾い上げるのに高い感度を示した(特異度は96-100%で同等だった)
    • 改善を拾い上げる感度:82.1% vs 44.8%, p<0.0005
    • 増悪を拾い上げる感度:93.1% vs 46.6%, p<0.0005 


3. External Validation(validation cohortで検討)
  • SLE-DASと、他の指標との相関
    • PGA  (r=0.875, p<0.0005) 
    • SLEDAI-2K (r=0.943, p<0.0005) 
  • PGAとSLEDAI-2Kもきちんと相関していた (r =0.839, p<0.0005).
  • 臨床的に重要な変化量(ΔPGA ≧ 0.3)としての、SLE-DASの精度は、SLEDAI-2Kよりも優れていた(Figure 2)
    • SLE-DAS:AUC=0.998 (95% CI 0.994 to 1.000, p<0.0005) 
    • SLEDAI-2K:AUC= 0.928 (95% CI 0.855 to 1.000, p<0.0005)
    • ΔSLE-DASのcut-off:1.72
  • SLE-DASは、SLEDAI-2K(≧4)よりも、臨床的に重要な変化を拾い上げるのに高い感度を示した(特異度は同等だった)
    • 改善を拾い上げる感度:89.5% vs 47.4%, p=0.008
    • 増悪を拾い上げる感度:95.5% vs 59.1%, p=0.008
  • 192人の患者が少なくとも2回フォローされており、それらでdamage accrualを予測する精度の解析をおこなった
    • 平均5年間のフォロー
    • model 1はadjusted mean of SLE-DAS, model 2はadjusted mean of SLEDAI-2Kで multivariate Cox regression modelを作成した(table 4)
    • SLE-DAS、SLEDAI-2Kともに、damageを予測するのに有意な項目ではあったが、model 1の方がAICが低く、better fitだった(AIC 377.183 vs 385.015, respectively)
    • また、model 3として、SLE-DAS、SLEDAI-2Kの両方を入れたmodelを作成sたが、model 3とmodel 1を比較するためにlikelihood ratio testを行うと、p=0.694であり、model 1にSLEDAI-2Kを追加する統計学的なメリットはないと判断された。一方で、model 2とmodel 3を比較すると、p=0.0047となり、SLE-DASを追加する方がより精度よくdamageを予測できた
      • すなわち、adjusted mean of SLE-DASは、adjusted mean of SLEDAI-2Kよりも、精度が高かった



<考察>
  • PGAを目的変数、Table 1に含まれる項目を予測変数として、multivariate linear regression analysis + expertによる裁量の重み付けで作成したSLE-DASは、SLEDAI-2Kよりも、PGAによる疾患活動性の変化、damage accrualを精度よく予測した
  • SLEDAIよりも項目数が減った(24 vs 17)にも関わらず精度がよかったのは、溶血性貧血、消化管病変、心肺病変を含んだこと、quantitativeな評価方式に変更したからだろう
  • limitation
    • PGAという主観的な項目を目的変数として作成したことかもしれない
      • しかし、PGAはSLE疾患活動性を評価する方法として広く使用されており、また、今回はPGAは同じ評価者で継時的に評価されており、SLEDAI-2KとPGA自体も高い相関を示したことから、妥当性は高いと考えられる
    • もう一つは、validation cohortが単施設であり、主にCaucasianの患者であることである
      • そのため、他の施設でのvalidationも必要だろう

トファシチニブ開始後のリンパ球数、リンパ球サブセットの推移と感染症の関連について

Evaluation of the Short‐, Mid‐, and Long‐Term Effects of Tofacitinib on Lymphocytes in Patients With Rheumatoid Arthritis Ronald van Voll...