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2018年3月14日水曜日

MTX不応のRAに対するTregalizumab(ヒト化モノクローナルCD4 IgG 抗体):placeboと比較して有意差なし


van Vollenhoven RF, et al. Ann Rheum Dis 2018;77:495–499. doi:10.1136/annrheumdis-2017-212478 

背景

  • RAに対して、TNFi、MTX、ABTを使用すると、Tregの機能が改善することが報告されている
    • TNFiによってTregが改善した患者では、改善したTreg機能によって、IL-6阻害・Th17が抑制された
  • TCZによってCD39+Treg活性が増加する
  • そのため、Treg機能を調節することが、RAを含む自己免疫疾患の治療につながることが期待されている
  • Tregalizumab
    • ヒト化モノクローナルCD4 IgG 抗体であり、CD4に結合して、Treg特異的に活性化させる
    • CD4のdownmodulationは、tregalizumabのagonistic活性の指標として利用することができる

  • 今回は、MTX不応の活動性RAに対する、tregalizumabのphase2b 試験である(TREAT2b)

方法
  • 321人のRA患者を対象とした
    • 1987 ACR or 2010 ACR/EULAR criteriaを満たす
    • 機能分類 1-3 の状態が6ヶ月以上続いている
    • MTXに治療抵抗性
  • デザイン
    • phase 2b
    • 二重盲検、ランダム化プラセボ比較、欧米の14カ国で実施
    • Main phase
      • 24週間
      • プラセボ比較
        • 12週時点における、baseline TJC, SJCから20%以上の改善の有無で、responderとnon-responderにわけ、non-responderは盲検下にて治療強化した
    • Extension phase
      • 24週間
      • 治療群のみ
    • follow-up
      • 4週間

  • primary endpoint
    • 12週時点でのACR20


結果


  • baseline characteristics


  • 有効性
    • 12週時点でのACR20(Figure1A)
      • placebo群と有意差なし
    • 24週時点でも有意差なし(Figure1B)

  • DAS28, CDAIによる寛解、低疾患活動性を達成した割合も低く、placebo群と有意差なし



  • 安全性
    • 治療関連有害事象はどの群も同等

  • 抗tregalizumab抗体
    • 4.3%(14/321例)で陽性
      • 陽性と陰性で、血清tregalizumab濃度は同等だった
  • CD4低下作用は、用量依存性だった


まとめ
  • tregalizumabは、MTX不応の活動性RAに対して、臨床的な有効性を示さなかった
    • in vivoでは、tregalizumabによるTreg活性化作用がないのかもしれない
    • もしくは、RAにおいてTregはあまり重要ではないのかもしれない
  • 48週目までACR20/50/70 responseは増加傾向だった(特に200mg群)ので、長期間使用することで臨床的な有効性を発揮するのかもしれない

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